そろそろ、新潮文庫のラスト「乾燥の九月」に行きますか。
リンチものだな

アブサロムで、クウェンティンがミス・コールドフィールドのオフィスで昔語りを
聞かされるのも9月。篠田一士訳より。

>残酷な不動の九月の太陽に照りつけられてかさかさに乾ききった外壁を
背景として、二度咲きのウィスタリアの花の、甘い、あまりにも甘い香りに
むせかえる薄暗い屍棺の匂いのする木陰があり、そこへときおり雀の群れ
がやってきては懶惰な子供がありふれたしなやかな棒切れを鞭打つような
大きな羽搏きの音をたてて埃を舞いあげていた。