報告遅くなったけどアブサロム、アブサロム読み終わった。
読み始めた時はなんちゅう読みにくい文章だと思ったけど、読み進めるうちにそれが癖になり、下巻はもう怒涛の勢いで一日で一気に読み切った。

ローザの語りから始まり、いろんな登場人物の聞き語りやクエンティンの思考を通して霧が晴れるように少しずつサトペンの姿が見えてくるこの複雑な構成は感動的なほどすごいと思った。
特に最後の章は、ものすごい緊張感の中で、この本を読みすすめながらこれまで見て聞いて感じてきたもの全てが報われるような素晴らしいまとめ方で本当に感動した。

ひとつ気になったのが、サトペンが近親相姦よりも黒人の血が流れているという理由でチャールズ・ボンとジューディスの結婚をきらったのは分かるけど、ヘンリーもそれを父から聞いて父と同じように感じたんだろうか。
ボンを殺したのはやっぱりそこが引き金になったのかな、そこのところがどうもすんなり受け入れられない。
南部の黒人に対する気持ちというのはそれほど根強いものだったということなのかな。