中村光夫
日本へ出荷する漬け物の工場ですね、中国の四川省のにあるそうです。
ttps://www.youtube.com/watch?v=m16QRcHsEqk https://dokushojin.com/article.html?i=6028
中村光夫とフロベール ロマン主義のあとさき 書評
師である中村光夫没後三〇年に
まさに全人格を睹したオマージュの企て
中村光夫とフロベール ロマン主義のあとさき
著 者:浜田 泉
出版社: 成文堂
評者:石崎 晴己(フランス文学者、青山学院大学名誉教授。) 笹原くだん
木村政樹『革命的知識人の群像』おもしろかった。
マルクス主義に「影響」された大正〜昭和の文学者たちの社会主義言説をその用法からたどっていく。
この「影響」の度合いの振れ幅が人によって大きくすぎるというのが危険なところだし、
研究しがいのあるところでもあるな、と。
ある論争において用いられている概念がどのような用法なのかは
現代の私たちからするとさっぱりわからないことは多々あり(当たり前のことすぎる)、
それについて注釈をつけていくというようなオールドファッションスタイルだけど、
概念整理こそ文学史の第一の役割なんじゃないか、とさえ思えた。
あと、はじめて文学研究でエスノメソドロジーが参照されているのをみた
(第1章註15に『概念分析の社会学』の文字が!)。
中身にふれてなかったけど、中野重治と中村光夫とが
日本には「ブルヂヨア文学」がある/ないと主張しあうところとかは
もはやアンジャッシュ的すれ違いコントで笑っちゃったんだよな。
しかもそれが日本資本主義論争の炎上の一部だったという点も含めて泥沼すぎるだろとなった。
あと、いかにして作家が〈「社会」なるものを論じなければいけない〉とする態度が
醸成されていったか的な視点も面白かったのでこれも引き続き追求していってほしいなとおもった。
小林多喜二の生き方は本当に日本文学の形を変えたなということがよくわかる...。
2022年9月23日 中村光夫『二葉亭四迷伝』
この五月十日に僕は染井にある二葉亭の墓をたずねました。
ふだんは彼の命日をとくに気にかけたことはないのですが、
この日の墓詣りは、今年のはじめから心がけていました。
彼が命をおえた四十六歳という齢に、今年僕もなったからで、
この記念すべき命日に彼の墓に行こうという独合点の欲求のためです。
……むかしは伯父さんぐらいのつもりでいた彼が、
いつのまにか自分より若死にした人になってしまったという事実は、
一面において彼と別れるときがきたのを意味します。
……その代わりに今ならば、ことによると彼の生涯を鳥瞰できるかも知れません。
……鴎外はシュニッツラーだかを訳しながら、自分の方が年上だからね、
といったそうですが、僕は彼より年上になったのが、
まだ利点であり得るあいだに、二葉亭にたいする長い間の負い目を果たそうと思います。 中村光夫の文学的業績は『風俗小説論』と『二葉亭四迷伝』だろう
一方では、その鑑識眼に疑問もあって、芥川賞選考で世紀の駄作
『エーゲ海に捧ぐ』を推しまくり、反対する良心派の永井龍男や
瀧井孝作を退けて、授賞してしまったのは残念至極である 鑑識眼というか
こういう仕事だと
ほとんど徒労のように読みたくないもんも大量に読まないといけないから
テキトーに読み飛ばしてることも多いわな
岬の時も読み間違えないようなこと書いてたし この序文で柳北は数年前の外遊の経験から、
「全地球上一切情界ノミ」と喝破して、
ヨーロッパ人の人情も我国のそれと少しも変ることがないことを強調し、
西洋では「人々実益ヲ謀リ、実利ヲ説キ」、
風流情痴のことに興味を持たないという「固陋学士」の説を嗤っています。
訳者の織田純一郎にも、柳北と同様、時代の実利実益主義を嫌って、
風流情痴に耽溺しようとする、消極的叛骨があったかも知れません。
中村光夫『明治文学史』 Χαιατο Ιοσιντα
自伝的著作での記述に従うなら中村光夫は戦時中、『ドン・キホーテ』を
仏訳で読んだほかはひたすら借り物のヨーロッパ建築史の本を読んでいた
わけで、戦中戦後における彼の文学史観にそれが影響していなかったとは
とても思えないのよな 日本思想史においてモデルニテを考えるうえで中
村は最重要と思う
そんなことを考えたのは朝永振一郎『量子力学と私』(岩波文庫)に収め
られた木庭二郎(中村光夫の弟で高名な理論物理学者)のエピソードを読
んだから
中村光夫の読書であと大事だと思うのは、旧制一高時代に読んだ『悪の
華』とモーパッサンの比較(自分には詩がわからないと思って散文に軸足
を移すきっかけになる)と、帝大仏文研究室から借りだしたヴィヨンを吉
田健一に読んでもらった体験(これで完全に、いわば「歌のわかれ」をす
る)だな。
2023年9月24日
「近代の超克」前後の戦中の中村光夫は、日仏学院かどこかから借り出し
てきた何巻もある大部のエミール・マールのヨーロッパキリスト教美術史
(建築含む)に原書で読み耽っていたうえに、鎌倉では吉川逸治との交流
も密だったわけで、そういうの逃して彼を語ることはできないなとの思い
を強くする
2023年9月30日 もりたねこ
『立命館文學』第687号(2024.01)がPDF公開されていた。
・共鳴する『戦争まで』――中村光夫のフランス体験―― 中井祐希
・〈まなざされる〉脆さと加害性――安部公房『他人の顔』論 岩本知恵
・明治陸軍とシュタイン問題―桂太郎の陸軍機構整備事業を中心に― 木
多悠介
2024年3月23日
河村書店
柄谷行人「明治文学をやろうと決めて勉強を始めたとき、とくに参照した
のは、中村光夫の『明治文学史』です。その結果、彼が言ってないことを
考えることになった。普通に言えることは、中村さんがもう言っているわ
けだから。」(聞き手・滝沢文那 2024/4/1)
2024年4月2日 一応、東大表象の時代は中村光夫―由良君美―蓮實重彦で終わった。 山本直人(日本文学)『亀井勝一郎』ミネルヴァ日本評伝選
明治44年(1911)生まれの薗部儀三郎さんは岡本太郎や中村光夫と同い年
大正2年(1913)生まれの涌井富三郎さんは新美南吉や織田作之助と同年
生まれ
男性の国内最高齢・厚木市の涌井富三郎さん(110)に 国内男性で明治
生まれは不在に(テレビ朝日系(ANN))
#Yahooニュース
2024年4月9日
窮理舎
中村光夫は今度の第25号で、ある物理学者たちとの関係でキーパーソンに
なっているので小誌も要チェックです!
2024年4月13日
機械書房/MACHINE BOOKS
宮崎さんと会うと、けっこう中村光夫や柄谷行人の話をしてる気がするか
ら、やっぱ文芸評論家や批評家がお互い好きなんだろうね。作品分析で精
読をしつつ、読者にその本を読みたくさせる、ってのが本好きとしてかっ
こよく思える。
中村光夫がですます調で文芸評論をやったことはとても大きいことだと思
います(文字数増やして原稿料を多くもらうのが理由だったにせよ)。この
ことについて書いてる本って何かありましたっけ?
2024年4月15日