◆◆血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査(読売新聞)◆◆

血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとする統計学的な解析結
果を、九州大の縄田健悟講師(社会心理学)が発表した。

日米の1万人以上を対象にした意識調査のデータを分析した。「A
型の人は真面目」「B型は自己中心的」といった血液型による性格
診断は、国内で広く信じられているが、就職や人事などで差別され
る「ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント」の問題も指摘され
ており、一石を投じそうだ。

研究成果は6月25日に発行された日本心理学会の機関誌「心理学
研究」に掲載された。

縄田講師によると、血液型と性格を結びつける考え方は国内では流
布しているが、海外ではほとんど知られていない。1970年代に
出版された関連本がきっかけで、その後もテレビ番組などで紹介さ
れたことで広がったという。

縄田講師は、経済学分野の研究チームが、2004〜05年に日米
の1万人以上を対象に、生活上の様々な好き嫌いなどを尋ねた意識
調査に、回答者の血液型が記載されていることに注目。血液型によ
って回答に違いがあるかどうかを解析した結果、「無関連であるこ
とを強く示した」と結論づけた。

血液型を巡っては、特定の血液型の人格が否定的にとらえられる例
があり、問題視されている。厚生労働省によると、採用面接などで
血液型を尋ねられるケースは後を絶たず、同省は「血液型は職務能
力や適性とは全く関係ない」として、血液型を質問しないよう企業
に求めている。大阪労働局によると、採用試験の応募用紙に血液型
などの記入欄を設けていた企業に対し、是正するよう行政指導した
例がある。