もっとくだけた印象批評でいうと
若い吉行は典型的「お醤油」系の好男子であったのが
中年期を境に多少の「ソース」系がまじり、色気の芳香を放つようになった
(安岡「嫋嫋たるムード」)
もともと脂けがなく色気にとぼしかったが「ウスターソース」の要素をとり込んだことで
我しらずゾクッとする艶っぽさを獲得し所謂男ぶりが上がったのだ
今だと福山雅治が(見かけだけだが)このタイプといえよう
大半の男子は成長期の「ソース」化になやまされて中年期には「お味噌」の臭さをいかんなく発揮するにいたり自己嫌悪のとりこになってしまう
そして吉行を羨望のまなざしでながめてしまうんである
「お味噌」臭えオッサンほど吉行にあこがれ崇敬してやまない秘密はコレなんである