教団Xを読んだ。
どんな読者に向けて政治批判を書いたのだろう、と思った。
ほとんどの読者は物語を求めて小説を読むと思うし、政治に対するスタンスもニュートラルなはずだ。無関心のはてに現れる全体主義へ警鐘を鳴らしているのだとしても、それにハッとするタイプはそもそも本なんて読まないのではないだろうか。

文学は社会へのカウンターだから、そういう意味で意義のある本だとは思う。
けれど物語として、小説として、純文学として面白いかというと自分には刺さらなかった。
端的にいうとつまらなかった。