曽野綾子の 〜 透明な歳月の光 〜

■697 一市民から見た中国 『庶民レベルで感じる傍若無人』

産経新聞6月1日
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・・・ある時、投票日に、急に離れて暮らす母親の具合が悪くなった。彼女は見舞いには行ったが、車を飛ばして投票時間切れすれすれに、100キロ近くを帰ってきたというのだ。私なら、母の病気を口実にその日の選挙は棄権する。

この人はつまり一票の強さを信じている。だから中国が度重なるインチキ製品を売り出してから、断じて中国製品を買わない。

私も原則として買わない。100円ショップでハサミを買ったらすぐ持ち手のプラスチックが折れて、『安物買いの銭失い』という戒めを、ひさしぶりに思い出した。