最近、芥川賞や新人賞の作品が世間全体の話題にならないようだが、なぜだろう?
新人作家が萎縮してしまっているからであると思う。
フェミニズムを批判するべからず。反戦平和を批判するべからず。
環境保護を批判するべからず。極左を批判するべからず。
マスコミを批判するべからず……べからず、べからずで、
がんじがらめのファッショ的文化のもとでは、どんな文化も発展のしようがない。
結局、あたりさわりのない、現実回避のムニャムニャ作品しか誕生しない。
あたりさわりのない、きれいごとを言っていられる時期は、とうの昔に通り過ぎていると思う。
まあ、たしかに、世間全体の話題にならないからといって、現実世界・現実時代を描いていないからといって、その作品の値打ちがきまるものではない。
しかし、特定の思想に、媚びへつらう作品ばかりでは、誰も話題にする気にもならないわけである。
理屈ではなく、肌の感覚で、大衆は、虚ろなものを感じているのではないのだろうか。
フェミニズム、反戦平和、環境保護、左翼思想の作品があるのは、大いに結構であり、何の問題もない。
しかし、それを批判する作品、それに抵触する作品を徹底排除するのは、ファシズムである。
あらかじめ洗脳された人間、マインドコントロールされた人間にしか、読んでもらえない文学作品、観てもらえない演劇、映画、テレビドラマ、
そんな文化は衰退する以外にない。