清張作品に初めて出会ったのは米倉涼子主演の「黒革の手帳」
のドラマ。たしか中学だったか高校だったかの時に見てハマった。
それから原作を読んで、「けものみち」「わるいやつら」「波の塔」
「強き蟻」「風の視点」など次々と本を購入して読み漁った。
読んで一番筆力に感動したのは「波の塔」。これは映像より本が良い。

本よりドラマのほうが面白いのは「黒革の手帖」「強き蟻」「砂の器」
「危険な斜面」(長谷川京子と渡部篤朗の)

みんな昭和の設定だから携帯とかパソコンとか使わないほうがいい
っていうけど、私は思いっきり現代風にリメイクしたドラマが好き。

清張作品はむせ返るほどの陰気くさい貧乏くさい僻みっぽい暗さが
あるけど、叙情性の欠片もない鼻づまり声の米倉涼子あたりが
明るくドライに演じる現代設定のドラマはその辛気臭さを消してくれ
見やすくなる。

それに犯人のトリックに携帯やパソコンなど現代ならではの
アイテムを使ったとしても清張作品の根底にある人間の業と欲は
普遍的なもので、いつの時代も変わらない