作家を作家さんとさん付けで呼びたがる女子供にはまあ不向きな作家だな。
ショーツのステッチ部分に付着したオリモノの粘着的な描写の巧さに驚かされ、かと思ったら夜の都会の河畔の桜並木について自分の観照を合わせて名文としかいいようのない文章をさりげなく出してくる。
やっぱりタダ者じゃない。願わくば「貫多もの」「秋恵もの」を時系列で再編集して、それぞれ1冊にして文庫で出して欲しい。
「文豪界」の版元が勧進元を務める日本一有名な文学賞受賞前からシコシコ読んでいたファンとして。