横レスするけど

指摘の箇所は、ニーチェの「善悪の彼岸」からの引用である
引用文の場合、先ず翻訳者のすべきことは、このドゥールーズの仏訳が正しいかどうか原文のドイツ語と照らし合わせて検証することである
指摘の箇所の仏訳は間違ってはいないようだが、もし間違えがあれば、訳注でそれを指摘しなければならない
河出文庫の江川、あるいは手伝った立教の院生は、そのような検証を行っていないようである
もし、やっていれば、ドイツ語の「irgendeine Grundgewissheit,---,etwas,---」は、誤訳しようがない簡単な単語であるから、指摘のような誤訳は絶対のしなかっただろう

irgendeine Grundgewissheit 何らかの根本確信
etwas あるもの

ちなみに岩波文庫の「善悪の彼岸」の訳は

「(この位階秩序を確定するものは、)高貴な魂が自己自らについてもつ何らかの根本確信である。
求められもせず、見いだされもせず、恐らくはまた失われもしない或るものである。」