>>207
「B級」ねえ、、映画についての蓮實の本当の好みは「往年のハリウッドスタジオ映画の
それも『Bクラス』(的)作品」という事なのだろうけど、、
もちろんジョン・フォードなどは「A級」ですが、、イーストウッドも「監督としては
当初は軽視されていた」時点では「B級」かな、、

蓮實が嗜好するような「『B級』的語りの経済性」を実現しているのはここ20年ぐらいは
むしろアメリカ製TVドラマなんだけど、蓮實はどうせその辺は語らないし、、

具体的には「基本的には1話あたり7〜8日で撮影される」「たった1話実質42分尺の中に現代のアメリカ製
劇場用映画なら2〜3時間は費やす様なテーマ・プロット・ディテールを惜しみなく注ぎ込む」
「基本的には『A級スター』の出ていない世界」「実質42分尺で簡潔に『物語る』為の
画作り・カメラワーク・編集の無駄の無さ」「シリーズ全体の世界観を統一するプロデューサー・シナリオ
ライター主導の制作で個々の監督の突出した『作家性』は限りなく希薄化されている」etc、、、

蓮實も例えば、

「『Bクラス』的アクション・ノワールとしての『Hawaii Five-0』『パーソン・オブ・インタレスト』
『ブラックリスト』『NCIS』『ホワイトカラー』『バーン・ノーティス』etcの素晴らしさ」

「現代アメリカ映画に敢えて背を向け『B級』TVスターとしての役割を引き受けたゲイ
リー・シニーズの翳りを目撃せよ!(『CSI:NY』など)」

「CSIにゲスト監督として登板したタランティーノやフリードキンの同時代性を見逃すな!」

「今やTV監督として身過ぎ世過ぎするジョー・ダンテの苦闘は或る悲運の映画作家の辿った
運命として一見に値する(『HAWAII FIVE-0』『マクガイバー』など)」

、、とかこのくらいカマしてくれれば良かったのに、、マジでやられても困るけど、、
蓮實も生涯を捧げた「映画至上主義」の自己否定はさすがに出来なかったか、、