マクシム・デュ=カンまたは凡庸な芸術家の肖像では、蓮實は1850年の写真家という
職業の登場とポルノの関係に触れてないだろ?
これは俺にいわせりゃイメージの根本的な批評としては致命的な欠点なんだな。
古代より、イメージの創造は最初からポルノの生産と密接に関わって来た。
インドのヤクシ、近東のイナンナ、アシェラ、これらの女神裸像に割れ目が
表現されてるか否かはポルノかどうかの判断基準にもなるだろうが、大体は
描かれてる。
デュカンが近東の旅から多分持ち帰ったであろう売春婦やベリーダンサー達の
ヌードがフランス上流社会の男達を狂喜させたことは先ず間違いない。
それに彼が使ったカメラはダゲレオタイプじゃなくてカロタイプで、両者は
機能が全然違う。