第一期:洋行以前 (明治十年代〜三十三年、七五首)
第二期:修善寺大患時代 (明治四十三年七月〜十月、十七首)
第三期:南画趣味時代 (明治四十五年五月〜大正五年春、四一首)
第四期:明暗時代 (『明暗』執筆中、大正五年八月十四日〜十一月二十日、七五首)

どの時代も趣が違う
この時代で言えば大正天皇が1000を超える漢詩を作っている
大正天皇の言葉ってのはあんまり残されていないから、漢詩を読むと心情が伝わったりする

漱石の漢詩では同じ言葉を続けて使ってみたり、対句に拘ったりしていて押韻や平仄にはこだわりの少ない印象を受ける
正規の漢文教育は受けていなくて、熊本で漢詩の専門家に教えてもらったりしていたんだったか

送鳥天無尽 鳥を送りて 天尽くる無く
看雲道不窮 雲を看て 道窮まらず

たとえば漱石のこういう対句はルールにのっとっているからこそきれいに作れていたりする
大正天皇の漢詩の師匠の三島中洲なんかは降りに触れて心情を歌い上げる教育をしている
昭和天皇は、かなり漢詩の伝統から離れてしまっているさまを伺えたりする

漢詩は丁寧に読むと普通に楽しい