>>55
>でも、我々一般人の多くは、 貴方のように「主体的に動き、窮状を打開し、
>人生に成功する」・・事なく、「もだえ苦しむだけで終わる」んだと思うけどね。

漱石の作中人物はいちおう主体的に動いた結果、窮状に追い込まれ
それ故に「意識」獲得することになる
世間一般の人は「根を生やして」(坑夫)生きているので
逸脱もそれほどなく「意識」の獲得までには至らない
そういう世人との意識上の格差が更に苦しみを倍化させるというのが
漱石作品上の主人公たちの特徴ですね

ドストエフスキーなら「自然の悪意」(白痴)と表現するような
自意識による業苦であり
それ故に「意志を持ったものが勝つのじゃ」という呪詛も生まれる
漱石作品の人物は盲目的な意志に身をゆだねるにはあまりに理知的であり
それは漱石自身にも当てはまる
本当に不幸な人だったと思いますね
私はそれに倣おうとは思わないな、苦しいだけだもの
ああいう病者の作品が「国民文学」として賞揚されるのもよく分からない
漱石作品といちばん遠いところにいるのが我々日本人大衆ですよ