統合失調症の治療で大切なのは家族のサポートです

統合失調症を発症した人は、今までに体験したことのない不安な状態におかれています。妄想により他人への不信感が増し、閉じこもりになりがちですから、まずご家族が「私たちはあなたの味方」というメッセージを送ってあげることが大切です。

統合失調症の患者さんは周囲の人たちの接し方にとても敏感です。特にご家族をはじめとする身近な人たちの感情の表し方は、病気の再発に大きな影響を与えるといわれています。この感情の表し方(表情、口調、態度など)はその字のとおり
「感情表出」といい、英語のExpressed Emotionの頭文字をとってEEとも呼ばれます。 患者さんに対して強い感情表出が向けられることを
「高EE」と呼び、再発の危険性が高い人間関係と評価しています。高EEといわれる感情表出には次の3つのタイプがあります。

1.批判的な感情表出
「いい年をして仕事もしない」などと、患者さんに対して不満や文句をいうことです。
2.敵意のある感情表出
「いっそ、この子がいなければいい」などの敵対的な感情をぶつけることです。

3.情緒的に巻き込まれている感情表出
「この子は病人だから私がいてあげないといけない」「この人の気持ちは私にしかわからない」など過保護や過干渉になってしまうことです。

ご家族の方も当事者以上に疲弊する気持ちはわかりますが
長い目で見て辛抱強く付き合っていかなければなりません