君の妄想力は大したもので
それだけが唯一の才能だと言えるのだが
たとえば「罪と罰」の主人公である狂人の妄想にも
容易に看取できる核心があったが
君の妄想の核心が自分には分からん


というのが小林の批評で
三島作品に込められた悪意の原泉について
どうしてそんなに世間を憎むんだ?と質している
まあ「金閣寺」を読めば瞭然で
世間に対する劣等意識とその裏返しの選良意識がある