>>876-879
何人が書いてるのか知らないけど、皆さん太宰をろくに読んだことがないのかな。
少し長くなるけど、ひとつ例をあげとくよ。

この本は私が今までそこに住んでゐた死の領域へ遺さうとする遺書だ。
私は詩人だと自分を考へるが、もしかすると私は詩そのものなのかもしれない。
(「仮面の告白」ノート)

「晩年」は、私の最初の小説集なのです。もう、これが、私の唯一の遺著になるだろうと思いましたから、題も、「晩年」として置いたのです。
こんど、ひとつ、ただ、わけもなく面白い長篇小説を書いてあげましょうね。
(「晩年」に就いて)

この二つを読み比べて、前者の後者へのリスペクトを読み取れないのはどうかと思う。