>>114
物部ザムレエがナヨナヨしたフヌケみたいで、ちっともモノノフらしくないのが
私的にはちょっと不満でした。山岸マンガが、やたらに線の細い、デッサンの
狂った人物だらけになっていった決定的な転換期の始まりとなった作品。
ただしスタイル的には、その後のレディコミの主流のスタイルの標準ラインを
提示したところもある。個人的には大嫌いな絵ですが、一派を構成する
端緒のひとつになったといえる巨大な作品です♪

80年代ってのは、ピカレスクロマンの成熟期でしたからね。あのマンガの
頃は、70年代のデスラー総統やドサ健、男組の神竜や企業小説の爛熟を経て、
力強くて冷静でカッコイイ悪党ってのが認知されてたよい時代でした。

それが、とうした訳ですか、そのごエンタメ物語世界の人物表現は、007号や
SASプリンスマルコの悪い富豪みたいな単純化へと舵を切ります。
金も力もたっぷりある一分の隙もない筈の大悪党が、簡単に顔色を変えたり、
野心を口にして高笑いしたり、激昂して乾分を即殺害するような、
スコセシ映画のジョーペシみたいな派手で汚ならしいやつばかりになっちゃった。
マンガもそうですよね。ウラシマンのアドルフフォンルードヴィヒなみの
かっこいい悪の総帥って、その後のマンガ劇映画にはほとんど登場しません。