橋本浩
RT 読んでいないからあまり言う資格はないのだが、モブ・ノリオ氏の「ぶっちゃけ」は最低だな。
渡部直己氏は一連のセクハラ問題でもう制裁は受けているはずだ。
そういう人のアラ探しをして読んだ人々が更にそれを嘲笑う。過ちを犯した人は叩かれてもいい。
なんだろう、この風潮、この既視感は。

フェミニストは自分で自分を差別している構造にいい加減気付けよ。
今の風潮はフェミニズムでも何でもない。ただの「ぶっちゃけ」だ。これこそまさに憎悪の連鎖じゃないか。

しかし、一昔前は閉塞感が盛んに叫ばれていた日本社会だけど、
ここ数年の「ぶっちゃけ」の台頭で(もちろん良い面もある)、急速に窮屈な社会に変わってしまったな。
そもそも、異性愛者の男性が女性に惚れてしまうのは抗うことなんてできないこと。
なんかこの社会少しおかしな方へ向かっていないか。

才能の有無に関わらず社会的に過ちを犯した人間が
再度その社会に復帰できない社会は不幸な社会なのだよ。それが今の日本社会。
復帰できないことはもとより、社会的制裁を受けた後にもあれこれと詮索されて
吊し上げられ嘲笑われ続けるのが今の日本ネット社会。完璧な人間はいない。必ずエラーを起こす。

リベラルであれば良いというわけではない。ある問題を起こし、被害者を産み出してしまった加害者は、
当然制裁は受けるべきだ。被害者へのケアも慎重に丁寧に施す必要がある。
しかし、曲りなりにも文学に関わる人間は、被害者を擁護するだけでなく、
加害者へも同じ態度で接する勇気を持つべきなのだ。

その勇気を持たない文学関係者を、僕は軽蔑する。
2018年11月7日

『すばる12月号』掲載のモブ・ノリオ氏による渡部直己氏批判文。あれは批判文ではなく、
渡部氏との関係を誇示しつつ、所々で内実を暴露させている自分語り。
読んで面白がっている奴は馬鹿。何でも暴露すればいいということはない。
渡部氏の中上に対する(特殊ではあるが)敬意を完全に毀傷している。
2018年11月8日