平野啓一郎 part31
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平野啓一郎作品 公式(『本心』新聞連載中/『マチネの終わりに』『ある男』)
@matinee0409
【『#マチネの終わりに』累計50万部突破!】 『マチネの終わりに』 重版です!大変光栄なことに、6月の文庫版発売から毎月重版を重ねています。読んでくださったみなさま、ありがとうございます。次作の #ある男 や、恋愛繋がりで #かたちだけの愛 も併せて、ぜひ! 文学者の発言とは思えない程わかりやすいと思うが、逆に何がわからないのか謎。 明らかに支離滅裂なのが、なぜ理解できないのか謎、
ていうか、相手にしても こんな感じで小説書いていたら、
あんな感じになるわけなんだな。 平野啓一郎が文学者だと思ってる知りあいがいた。
平野圭一朗ww
底辺女向けの売文業者だと伝えたが、ほんまどうなってんねん。
読みゃクズだって分かるだろうが。 >>874
具体的に>>870の論のどの部分がどの部分と繋がっていないのか指摘できるか?俺は>>870が素晴らしい主張だと言ってるわけじゃないぞ。お前の主張こそ支離滅裂だと言ってるんだ。まあ、わかんないだろうけど。 >>877
狂うなよ。
自然災害と社会の高齢化は別の問題だ。
そこにおいて間係が指摘されていない。 >>878
自然災害と高齢化に因果関係がある、なんて読み方をできるほうが狂ってると思うよ。 >>879
はいはい、文章が続いてるからそうとられてもしょうがないだろ。 >>880
中学生の時に国語の授業で寝てた人は極端な曲解をしてしまう可能性があるから首を突っ込まないほうがいいよ。まともな本を何冊か読んでからまたおいで。 >>881
お前の読解なんか誰も見たことないはずだが、
全くお前はぶった切りたくなる人間だなw >>877
ID:HdPxPF3L は俺だが、
説明するのがめんどくさい。 子供じゃあるまいし なんで今頃「五輪に金を使うな」とか言うんだろうか?
招致活動の頃から文句言ってたならともかく・・・ 平野啓一郎
@hiranok
社会的に高い地位にあっても、@何で評価されてるのか、実体がよくわからない A話を聞いても大したことを言わない、という人には、近づかない方が身のためでしょう。 >>882
ちょっと何言ってるかわからないですね
>>883
話は終わってるからもう説明しなくていいですよ >>887
おまえが終わってるわけだな。本当に馬鹿 >>888
雉も鳴かずば撃たれまいってやつだな。可哀想に >>885
>社会的に高い地位にあっても、
>@何で評価されてるのか、実体がよくわからない
> A話を聞いても大したことを言わない、という人には、
>近づかない方が身のためでしょう。
まあ裏があるという事ですよね >>889
「雉」は平野のことだな。
>>870がなぜ支離滅裂なのか理解できないというのは、
冷静に考えて若干知恵遅れ気味なのか、それとも平野本人なのか。 >>891
それを支離滅裂と言う方が支離滅裂だろう。むしろわかりやすすぎるだろ 一度しか見られないものは、貴重だ。
月並みだが、この意見には、大方の人が同意するだろう。
とすると、時間と不可分に生きている人間は、その存在がそのまま、貴重だと言える。なぜなら、生きている限り、人は変化し続け、今のこの瞬間の僕は、次の瞬間にはもう、存在していないのだから。
実際には、たったこれだけのことを言う間にも、僕は同じでない。細胞レヴェルでも、分子レヴェルでも、それは明白だ。
もっと単純に、僕が今、死にかけていると想像したなら? これだけのことを言う間に、刻々と病状が悪化し、結局、僕は終わりまで言い果(おお)せることなく、最後の究極の変化を――つまり死を――迎えてしまうのかもしれない。
たった一行の文章の中でも、人間は変化しながら生きている。
こうした考えに、果たして人は、踏み止(とど)まれるのかどうか。――
今日、玄関先で見送った幼い子供の姿は、もう二度と見られない。学校から戻ってきた息子は、朝と似た、しかし、微(かす)かに違った存在なのだから。
僕たちは、その違いが随分と蓄積されたあとで、ようやく感づくのが常だ。
本一ページ分のインクの量を、僕たちは決して感じ取ることが出来ない。
しかし、一万冊の本のインクなら、身を以(もっ)て実感するだろう。
変化の重みには、それと似たところがある。勿論(もちろん)、目を凝らせば、その微々たるインクが、各ページに描き出しているものこそは、刻々たる変化だ。
人間だけではない。生き物も風景も、一瞬ごとに貴重なものを失っては、また、入れ違いに貴重なものになってゆく。
愛は、今日のその、既に違ってしまっている存在を、昨日のそれと同一視して持続する。鈍感さの故に? 誤解の故に? それとも、強さの故に?
時にはそれが、似ても似つかない外観になろうとも、中身になろうとも、或(ある)いは、その存在自体が失われようとも。――
「本心」プロローグ
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541086/ 870の発言だが、とにかく日本にヘイトをぶつけたいという意味では
たしかにこれ以上なくわかりやすいですね 平野啓一郎は日本人じゃないという事?まあ、わかりやすいストーリーだよね。 >>892
おまえ本当にわからないのか。
雉も鳴かずば撃たれまいというが、
撃たれた雉が、自分が撃たれたことを理解できていない。 >>897
「おうむ返し」にはなっていないと思うぞ。
ずいぶん能力低いんだな。 平野先生にケチをつけるとか10年早い事がわかったか? 考えてみれば、ボケ老人て端から見ると見苦しくても、
本人はボケてるから幸せそうだろ。
平野にもそういうところがあるかもしれない。
ツイッターがかなりイタくても、
本人は「自分はカッコいい」と思っていたりする。 それとも、今日の愛もまた、昨日とは同じでなく、明日にはもう失われてしまっているのだろうか?
だからこそ、尊いのだと、あなたは言うだろうか。
第一章 再生
「――母を作ってほしいんです。」
担当者と向き合って座ると、たった数秒の沈黙に耐えられず、僕の方から、そう口を開いた。
もっと他に言いようがあったのかもしれない。当の僕自身が、言った先から、その不可能な単語の組み合わせに恥じ入り、意気沮喪(いきそそう)したのだから。
メールで既に、希望は伝えてあったので、確認程度のつもりだった。しかし僕は、途中で涙ぐんでしまった。たったそれだけのことさえ、言い果(おお)せることが出来ずに。
なぜかはわからない。母を亡くして、半年間堪(こら)えていた寂しさが、溢(あふ)れ出してしまったのだろうが、その挙(あ)げ句がこれかと、惨めな気持ちがないわけでもなかった。
それに、単純に、おかしかったのだとも思う。――おかしくて泣いて悪い理由があるだろうか?
僕は丁度(ちょうど)、二十九歳になったところだった。
僕と母は、どちらかが死ねば、残された方は一人になるという、二人だけの家族だった。
もう母は存在しない。その一事を考えれば考えるほど、僕は、この世界そのものの変質に当惑した。
簡単なことが、色々とわからなくなった。例えば、なぜ法律を守らなければならないのか、とか。……
用心していても、孤独は日々、からだの方々に空いた隙間から、冷たく浸透してきた。僕は慌てて、誰にも覚(さと)られないように、その孔(あな)を手で塞(ふさ)いだ。
僕たちを知る人は多くはなかったが、誰からも仲の良い親子だと見られていたし、僕は母親思いの、心の優しい青年だという評判だった。
「本心」第2回プロローグ
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541764/ 話を簡単にしてしまえば、母の死後、僕がすぐに、VF(ヴァーチャル・フィギュア)を作るという考えに縋(すが)ったように見えるだろうが、実際には、少なくとも半年間、新しい生活に適応しようとする、僕なりの努力の時間があった。
それは、知ってほしいことの一つである。
僕は、六月一日生まれで、それが、「朔也(さくや)」という名の由来になっている。「一日」を、古い言葉で「朔(ついたち)」ということを、僕は母から何度となく聞いていた。
母に祝われることのない初めての誕生日から数日を経て、僕は不意に胸に手を当て、言いしれぬ不安に襲われた。
自分では、その都度うまく蓋(ふた)をしたつもりだったからだの隅々の孔(あな)が、結局、開(ひら)いたままで、僕の内側に孤独のための斑(まだら)な空虚を
作り出していた。僕は、外からの侵入者を警戒するあまり、僕自身が零(こぼ)れ落ち続けていたことにさえ、気づいていなかったのだった。
体が軽くなる、というのは、大抵は何か快さの表現だが、僕はその腐木(ふぼく)のような脆(もろ)い感触に、これはいけない、と初めて自覚し、その解決策を考えた。
それが、僕が今、渋谷の高層ビルの中にいる理由だった。
担当者は、野崎(のざき)という名の、僕よりも恐らく、一回り年上らしい女性だった。白いブラウスを着ていて、髪を短く切っている。メイクの仕方から、外国生活が長いのではないか、という感じがした。
ここに来る客では、泣き出すことも珍しくはないのか、彼女は、理解に富んだ表情を見せ、僕が落ち着くのを待った。一重まぶたの小さな目が、よくわかりますよ、
という風にこちらを見ていたが、観察されている感じもした。誇張でなく、僕は一瞬、彼女が受付用のロボットであることを疑った。
ネットで済むはずの手続きを、わざわざ対面で行うのが、この会社の“人間味溢(あふ)れる”特徴で、彼女はつまりは、そういう仕事に恵まれる人物のはずだった。
「お母様のVFを製作してほしい、というご依頼ですね。」
「はい。」
「本心」 連載第3回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541766/ 平野啓一郎
@hiranok
ツイッターのフォロワーが10万人を超えました。「純文学」の小説家的には、5万人くらい、フォローしてくれる人がいたら心強いだろうなぁと思って始めたのですが、ありがたいことです。 純文学ごっことステマで馬鹿に売るというセコいビジネスモデル 横並びでほかの中堅作家と比較して圧倒的に実力ない。
じつはファンもいない。 アマゾンで歯が浮くような絶賛コメント見ればだいどういう作家かわかりそうなもんだが。 紋切り型の集積
説明ばっかで描写力が極めて弱い
会話文の寒さは圧巻 つまんねえんだよお前の小説もどきは
デカイのは顔だけにしとけや だいたい初歩の作文能力とか句点読点の打ち方勉強しろや
それからハリウッド脚本術とかの入門編でも読んでプロットの展開のさせ方学んでくれ ど素人小説が大手を振って一流ぶれるという文壇のもはやどうでもいい崩壊っぷり こういう田吾作作家にクズ、田舎もん、とか言って退場させることが文壇だったのにな 何を言おうとお前らより勝ち組、とかいう書き込みは誰がしてるの
必ずくるやん
このスレって お前らが執着すればするほど平野さんの勲章になるんだよなあネトウヨに堂々と対峙して戦う作家
偉大な作家だよね そーいえばホシュ速報に書いてあったんだけど
クソゴミ朝鮮人って統失とかの重度な精神疾患の発症率が高いんだって
だから統失は在日の可能性が高いって書いてあった
つまり統失かどうかでクソゴミ朝鮮人がわかるんだよ
統失なやつは朝鮮人の可能性が高い
現にヒキ板のつにゃんってやつはバリバリの統失だし
本当の父親知らないし
なんか目も細くてツリ目で
クソゴミ朝鮮人の可能性が高いんだよ 「VF(ヴァーチャル・フィギュア)については、おおよそ、ご存じですか?」
「――多分、一般的なことくらいしか。」
「仮想空間の中に、人間を作ります。モデルがいる場合と、まったくの架空の存在の場合と、両方あります。石川(いしかわ)
様の場合は、いる方、ですね。姿かたちは、本当の人間と、まったく区別がつきません。たとえば、わたしのVFとわたし本人とが、仮想空間で石川様にお会いしても、まず、どちらが本物かは見分けられないと思います。」
「そこまで……ですか?」
「はい。あとでお見せしますが、その点に関しましては、ご信頼下さい。話しかければ、非常に自然に受け答えをしてくれます。――ただ、“心”はありません。会話を統語論的に分析して、最適な返答をするだけです。」
「……それは理解しています。」
「興醒(きょうざ)めかもしれませんが、どれほど強調しても、お客様は途中から、必ずVFに“心”を感じ始めます。もちろん、それがVFの理想ですが、その誤解に基づいたクレームが少なからずありますので、最初に確認させていただいてます。」
セールス・トークだろうと、半信半疑だったが、想像すると、喜びと言うより不穏なものを感じた。
僕は端的に言って、欺(だま)されたがっている人間だった。そして、彼女の口調は、製品の説明というより、僕自身の治療方針の確認のようだった。
「お母様は生前、VFの製作に同意されてましたか?」
僕は咄嗟(とっさ)に、「はい、」と嘘(うそ)を吐(つ)いた。そんな話は決してしなかったが、本人の同意がないと言うと、製作を拒否されるか、面倒な手続きを求められるのではと思ったからだった。
「他のご家族は同意されてますか?」
「母一人、子一人の母子家庭でしたので。……母の両親は、既に亡くなっています。母の姉――僕の伯母――がいますが、ずっと会ってません。葬式にも来ませんでしたから。」
「承知しました。ご親族の間で、トラブルになることもありますので、一応。――失礼ですが、石川様は、生前のお母様とのご関係は、良好でしたか?」
「本心」 連載第4回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541972/ 僕は、最初の涙の印象を打ち消したくて、
「わざわざ嫌な母親のVF(ヴァーチャル・フィギュア)を作る人がいるんでしょうか?」
と笑ってみせた。あまり陰気な、不安定な精神の人間と思われると、母のVFも、そんな息子向けの仕様にされるかもしれないと懸念したからだった。
彼女はしかし、意外にも、当然のように頷(うなず)いた。
「いらっしゃいます。――ただ、理想化しますが。」
「ああ、……そういうことですか。」
「生前から、実際の家族とはまったく違った、理想的なVFの家族を作られる方もいらっしゃいます。これはあまりお薦めしませんが、片思いの相手を作られる方も。石川様の場合は、出来るだけ実物のお母様に似せる、ということでよろしかったでしょうか?」
「本物そっくりにして下さい。」と、僕は彼女の言葉を最後まで聞かずに言った。「本物に近ければ近いほど理想的です。」
彼女は、「かしこまりました。」とだけ言うと、傍らのモニターに目を遣(や)って、聴き取られた会話が、自動的に整理されてゆく具合を確認していた。
たったこれだけのやりとりで、僕は疲労を感じた。彼女に好感を抱いたが、向こうはそうではなかっただろう。ピンと張ったピアノ線のような緊張の上で、期待と警戒とがゴムボールのように跳ねて、胸の裡(うち)で、素(す)っ頓狂(とんきょう)な音を立てていた。
三十三階で、エレヴェーターを降りた時に見た「株式会社 カンランシャ」というカラフルなロゴのステッカーが、デスクの上にも置かれている。
野心的な、幾らか子供っぽいベンチャー企業の社長がいかにも考えそうな社名。−−その由来を聞かされても、私的な思い入れが強すぎて、ほとんど共感できない類いの。……
オフィスは広く、背の高い鉢に植えられた観葉植物が、木製の棚と組み合わされて、空間を機能的に仕切っている。ハンモックも見え、職場と言うより、自由なカフェのような雰囲気だった。
漆喰風(しっくいふう)の壁は白く、足許(あしもと)には、シロナガスクジラが描かれた幻想的な絨毯(じゅうたん)が敷かれている。
「本心」 連載第5回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/542303/ >>936
>背の高い鉢に植えられた観葉植物が
その表現は良くないな
鉢が高いようにも受け取れる
背の高い、鉢植えの観葉植物らが
とでもした方が良い エラいスレ伸びてるw
連載始まったね。
或る男の中で何回か本心て箇所に強調してたから構想あったんだろうね
でもこの連載の面白さがまだ解らない
相変わらずファッション関係でもtweetしてるんだけど近影見てもオシャレには見えん 歴史の名を残すようなクラスの人物ではないな がっかりした 小説の中でもお酒や音楽、ファッションに触れてるけど、話とは関係無いところで主張し過ぎると、やはり合う合わないがあるから敬遠されそう
比べるのもなんだが今日「ステキな金縛り」の映画放送してて見たら
クセ強い監督だけど押し付けることなく
好きな映画がサラッと解るようになってる
解らなければ、それはそれでいいんだろうけど
あまりにも自分の世界に浸り過ぎるのか好みを押しつけるような中二病みたいな文章はちょっと残念
マイルスデイビス好きな人や音楽の好みが合う人はこの人の作品にハマるものなんだろうか マイルスデイビスと平野啓一郎が好き、なんてひと本当にいるのかね? 「マチネの終わりに」公開に合わせてこの人がどれくらい露出するかわからないけど
(雑誌などの露出増えると踏んでいる)
大衆受けする人ではないんではないか?と思うので、どういう層に受け入れられる人なのかハッキリしそう
ジャンルがもう違って来てるけど吉田修一とか自分の出し方は上手いなと思う
一応平野作品は目を通してるよ
扱う題材には興味あるから >>895
ゆっくり読書や立場の使い分けを自分のオリジナルと言ってた人なので
まあかの国っぽいなあとは思ってる バッサイアやフィカス、ガジュマルなど、僕でもAR(添加現実)を頼らずに名前を言える木が、目立って生い茂っていて、それが初夏の光を心地良く遮っていた。
よく手入れが行き届いていて、枝にも葉にも張りがあり、生気が感じられた。
窓から遠い場所に置かれた鉢まで、ここではどうしてこんなに緑が新鮮なのだろうか。眼の先には、エスキナンサスが吊(つ)り下がっている。それは、本物らしかったが、ひょっとすると、何割かは造花の類いが混ざっているのかもしれない。
母は植物を愛していたが、その死後、枯れてしまう葉が増える度に、僕はその正直さに共感を覚えた。母のいなくなった世界で、どうしてその葉脈を力強く張り巡らせる必要があるだろうか。僕は決して、植物
に“心”があると信じる類いの人間ではないが、それでも、手持ちの乏しい語彙(ごい)を漁(あさ)ると、寂しげだとか、悲しげとかいった言葉ばかりが目についた。
もう、こんなに光の眩(まぶ)しい季節だと言うのに。……
「――石川様は、現在、二十九歳ですね?」
あまり長く窓の方を見ていたせいで、振り返った時、僕は野崎の姿を見失った。
「……そうです、先月が誕生日でした。」
「いつ頃のお母様をご希望ですか? 直近の事故に遭われる前のお母様か、それとも、もっと別の年齢の頃か。」
即答できなかった。迂闊(うかつ)にも、僕はそれを考えたことがなかった。
この半年というもの、僕の脳裡(のうり)を去来したのは、幼少期に見上げた、まだ四十代半ばになったばかりの若々しい母の笑顔から、一年ほど前に、玉ねぎを切っていて人差し指の爪を削(そ)ぎ落としてしまった時の痛々しげな表情まで、一時も同じではなかった。
これから一緒に生活をするとして、いつ頃の、どんな顔の母が理想的なのか?−−遺影は、葬儀会社の薦めに従って、時期の異なる五枚ほどの写真を選んで、切り替わるようにしてあった。しかし、VF(ヴァーチャル・フィギュア)となると、そうはいかないのか。
「オプションで、複数の時期を選んでいただくことも出来ます。その分、お手間と費用がかかりますが。お子さんを亡くされた方などは、未来の姿を選ばれることもあります。」
「本心」 連載第6回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/542658/ 「未来?」
「はい。成人後の姿を、かなり正確に予想できます。」
僕は、どうして正確に予想できたとわかるのだろうかと、流石(さすが)に訝(いぶか)った。正解は、永遠に失われているというのに。
成長や老化は、なるほど、ある程度、予想がつくかもしれない。しかし、その子がいつか看板に額をぶつけて作る傷のかたちを、どうして予測できるだろうか?
けれども、その未来の子供の姿に救いを感じている遺族もいるのだった。その不出来の指摘は、結局のところ、慎むべきなのだろう。第一、“ユーザー”こそは、そんなことは百も承知のはずだった。
「今日、決めていただかなくても結構です。ゆっくりご検討ください。ただ、複数のヴァージョンを作られても、結局、みなさん、一体に絞っていかれますね。……」
「……そうですか。――ただ、まだ、購入するかどうかを決めてないんです。どの程度、母を再現できるのかを知りたいのですが。」
「精度は、ご提供いただける資料次第です。写真と動画、遺伝子情報、生活環境、各種のライフログ、ご友人や知人、……サンプルとして、弊社で製作したVF(ヴァ−チャル・フィギュア)に実際に会っていただけると、色々ご理解いただけると思います。」
そう言うと、野崎は立ち上がって僕を別室に誘(いざな)った。
◇
体験ルームは、意外と平凡な応接室だったが、外部からは遮蔽(しゃへい)されていて、壁には闘牛をモティーフにしたピカソのエッチングが飾られていた。かなり古色を帯びていて、しみもある。最近の精巧なレプリカなのか、二十世紀に刷られたものなのか。
ヘッドセットとグローブを装着しても、何も変化はなかった。僕は、これから対面するVFが、AR方式で、現実に添加されるのか、それともヘッドセット越しに見ている部屋が、既に仮想的に再現された応接室なのか、本当に区別できなかった。
黒いレザーのソファの前には、コーヒーが置かれている。座って、それを飲めば、わかることだろうが。…… 野崎が、二人を連れだって戻って来た。
一人は、薄いピンクの半袖シャツを着た、四十前後の痩身(そうしん)の男性で、よく日焼けしているが、僕とは違い、長い休暇中に、ゆっくり時間をかけて焼いたらしい肌艶だった。
もう一人は、紺のスーツを着て、眼鏡をかけた白髪交じりの小柄な男性だった。
「初めまして、代表の柏原(かしわばら)です。」
日焼けした男の方が、白眼よりも更(さら)に白い歯を覗(のぞ)かせて腕を伸ばした。
僕は握手に応じたが、ウィンド・サーフィンでもやっているんだろうか、といった眩(まぶ)しい想像を?(か)き立てられた。例の「カンランシャ」という社名を考えたのは、この人だろう。
続けて、隣の男性を紹介された。
「弊社でお手伝いいただいている中尾(なかお)さんです。」
「中尾です。どうぞ、よろしく。暑いですね、今日は。−−お手伝いと言っても、ただここでお話しをさせていただくだけなのですが。」
彼は、額に皺(しわ)を寄せて、柔和に破顔した。落ち着いた物腰だったが、こちらの人間性を見ているような、微(かす)かな圧力を感じさせる目だった。
「お手伝い」というのがよくわからなかったが、僕と同じVF(ヴァーチャル・フィギュア)の製作依頼者なのだろうかと考えた。
同様に握手を求められたので、応じかけたが、その刹那に、ハッとして手を引っ込めた。実際には、それも間に合わず、僕は彼に触れ、しかも、その感触はなかったのだった。
「私は、VFなんです。実は四年前に、川で溺れて亡くなっています。私は、娘がこの会社に依頼して、製作してくれたんです。」
僕は、口を半開きにして、物も言えずに立っていた。“本物そっくり”というのは、CGでも何でも、今では珍しくないが、中尾と名乗るこのVFは、何かが突き抜けていた。それが、僕の認知システムのどこを攻略したのかは、わからなかったが。
誇張なしに、僕には彼が、本当に生きている人間にしか見えなかった。柏原と見比べても、質感にはまったく差異が感じられなかった。
「本心」 連載第8回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/543252/ 僕は、半ば救いを求めるように野崎を振り返った。彼女は特に、「どうです!」と誇らしげな様子を見せるわけでもなく、
「気になることがあれば、何でも質問してみてください。」
とやさしく勧めた。恐らく、彼女がこのVF(ヴァーチャル・フィギュア)と接する態度も、これを人間らしく見せている一因だろう。
彼の額に、うっすらと汗が滲(にじ)んでいるのに気がついて、僕は驚いた。僕の眼差(まなざ)しを待っていたのか、それは、目の前で、静かにしずくになって垂れ
、こめかみの辺りに滲んで消えた。そして、そのベタつくような光沢を、中尾は痒(かゆ)そうに、二三度、掻(か)いた。
僕は、反射的に目を逸(そ)らした。彼の足許(あしもと)には、僕たちと同じ角度で、同じ長さの影まであった。
「ちゃんと、足は生えてますよ。」と中尾は愉快そうに笑って、「そんな、幽霊を見るみたいな顔をしないで下さい。」と、腹の底で響いているような篦太(のぶと)い声で言った。
「すみません、……あんまりリアルなので。」
「中尾さんは、実は収入もあるんですよ。」と野崎が言った。
「収入?」
「これが仕事なんです。」と中尾が自ら引き取った。「ここでこうして、自分自身をサンプルに、新しいお客様にVFの説明をしているんです。それに、データの提供も。
お金を受け取るのは、家内と大学生の一人娘ですがね。……かわいそうなことをしましたから、まあ、親として出来るせめてもの孝行ですよ。」
僕がその目に認めた憂いの色は、さすがに気のせいだっただろうか?
しかし彼は、「親として出来るせめてもの孝行」と言うだけでなく、その手前で、「まあ、」と一呼吸置いてみせたのだった。
僕は、自分の方こそ、出来の悪いVFにでもなったかのように、まったく意味が不明瞭な面持ちで立っていたと思う。「話しかければ、ちゃんと受け答えをしてくれます。ただ、“心”はありません。」という、野崎の最初の説明が脳裡(のうり)を過(よぎ)った。
彼はつまり人工知能で、その言葉のすべては、一般的な振る舞いに加えて、彼の生前のデータと、ここでの何十人だか、何百人だかの新規顧客との会話の学習の成果だった。
「本心」 連載第9回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/543413/ こういう時には、後悔を残さないために、万が一のためのことはすべてすべきだった。
僕は、母を招き入れるために呼びかけた。けれどもドアは、僕の期待に困惑したように、いつまでもただ、じっとしているだけだった。
◇
羽田(はねだ)から小樽へと向かう飛行機の中で、僕は、今日の仕事の確認をした。
所謂(いわゆる)“リアル・アバター”として働くようになってから、もう五年、――いや、六年近くが経(た)っている。アバターではなく、“分身さん”と呼ばれることもある。
個人事業主としての契約で、その間、登録会社は二度変わったが、僕はこの世界では、例外的な古株だった。
今でも人間が求められ、且(か)つ、特別な技能を必要としない職業の中では、最低限よりも、大分マシな報酬の部類だと思う。世間的には蔑(さげす)まれてもいるが、依頼者からは感謝されることが多い。
それでも多くがすぐに辞めてしまうのは、肉体的にも、精神的にも、保(も)たないからだ。
母は、この仕事を好まなかったが、僕がどうにか続けてこられたのは、母の存在があればこそだった。
母が僕に、唐突に、安楽死の希望を伝え、その理由に挙げたのも、間接的には、この仕事だったが。……
依頼者は、八十六歳の男性で、手配したのはその息子夫婦だった。“最後の親孝行”にと、要望書の中で説明していたが、実際に面会した折に、その言葉を文字通りに
受け止めるべきであることを察した。「よろしくお願いします。」と、丁寧に頭を下げられたが、僕に本当に任せられるのかを素早く判断しようとする目だった。
病床に座って僕を出迎えた「若松(わかまつ)さん」という老人は、顴骨(かんこつ)ばかりがふっくらと目立つほどに痩せていたが、目の底にはまだ力があり、意思
は明瞭だった。ただ、僕の仕事については、今ひとつ?(の)み込めていないようだったので、
「簡単に言えば、この体を丸ごとお貸しする仕事です。ご自分の体のように、僕の目を通じて見て、僕の耳で聞いて、僕の足で歩いていただきます。」と説明した。
「本心」 連載第14回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/544730/ 平野啓一郎
@hiranok
それにしても、グレタさんに対する反応を見るにつけ、日本人って、目立って立派なことをする人を称賛しないなあ。何が悪いのかな? 教育のせい? ナンクセつける人の声が目立つようになってるのかな。 インテリ風バカが政治に口出したがる典型オブ典型で草 何ら深読み、裏読みがあるわけでなく、そこらのテレビで言われてるようなことをなぞるだけのステレオタイプな底の浅い批判に終始する低能
昭和時代の生き残りのような韓国(特ア)無謬論者のようだが、他の御仁と同様、香港デモは完全スルーするんだよな
日頃口酸っぱく安倍批判するくせに、まるで同一歩調だってことにすら気付かないウツケモノ 「かっこいい」「応援される」「信用される」。コルク佐渡島庸平にとっての「インフルエンサー」とは
9/27(金) 7:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190927-00029879-forbes-bus_all
(抜粋)
> そんな佐渡島氏にとってのトップインフルエンサーはズバリ、平野啓一郎氏という。
> 平野氏は著書『「カッコいい」とは何か』で「世の中を動かしているのはカッコいいという概念だ」という仮説を示し、「『カッコいい』という強い憧れの感情は、アイデンティティに深く食い込んで、その人の人生を本当に変えてしまう力を持っている」と書く。 >>958
6月に毎日新聞の記事貼り付けただけか
アリバイつくりのつもりかよ
日本のマスゴミだってもう少し記事にはしてるぞ
平野は中国も好きなんだよね
そしてたまに行ったりもするらしいが、下手に香港デモを擁護でもしようもんなら、
中共にマークされて逮捕されるとか、入国できなくなるとか、ビビってるんじゃね? むかし、平野が「分人主義が広まれば自殺が減る」とか言ってて
意味がわからなかったんだけど
要は反日を隠せってことだったんだろうな
やっとわかってきた そもそも親日とかキモいでしょ。日本すごい番組で日本を褒めてる外国人は大抵何も考えてなさそうじゃん。 あるべき自分(理想)と今の自分(現実)を比較して
そのギャップに苦しまなくて良い
というのは自分とは関係の束に過ぎずフィクションでしかない
それゆえ自己同一性の神話から導き出される理想というのも虚構に過ぎない
くらいの発想だろうね
でも自殺というのはアノミー自殺だからね
安定した社会関係の喪失による不安が原因なので
社会変動期の変動にさらされやすい下層ほど精神的に不安定になります
たとえばワタ〇に入社して深夜残業でこき使われた挙句
早朝ボランティアにも駆り出されて睡眠不足で鬱発症して自殺した女性は
観念論的自己を奉持して鬱になったわけでも自殺したわけでもない
自殺とはちょっと違うけど
平野君の同窓生である講談社勤務の敏腕編集者が奥さんを絞殺したのは
徹夜続きの激務と並行して育児も担当していて疲れていたからであって
人が精神的におかしくなるのは観念論の結果じゃないんだよ 朝まで渡辺美樹のビジネス本を読まされて感想書かされたりさあ 人間とは人と人の間、つまり関係の事であり
人は一人では生きていけない
関係の中で生きていくものなんだ
ということは武田鉄矢あたりでも言うことだし
それゆえ「働く」とは「傍(はた)を楽(らく)にする」ことなのだ
と強弁して人をこき使う事を肯定するブラック企業もあるわけであって
ぜんぜん薬にはならないんだよ 地元のブローカーに騙されて大借金を抱えて
日本の農家に技能実習生として連れてこられて
ひたすらこき使われているベトナム人にたいして
分人主義を唱えても激怒されるだけです
ILOの設定したあるべき基準から導き出される自分を信じた方が良いんじゃないの?
分人主義から倫理なんて導き出せないんですけどね 分人主義という斬新な思想を唱えて世の中に一定以上の影響力をもった現代では希少な哲学する作家としての功績は計り知れないよ レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。