0936吾輩は名無しである
2019/09/14(土) 21:59:18.03ID:G+evfjQX三十三階で、エレヴェーターを降りた時に見た「株式会社 カンランシャ」というカラフルなロゴのステッカーが、デスクの上にも置かれている。
野心的な、幾らか子供っぽいベンチャー企業の社長がいかにも考えそうな社名。−−その由来を聞かされても、私的な思い入れが強すぎて、ほとんど共感できない類いの。……
オフィスは広く、背の高い鉢に植えられた観葉植物が、木製の棚と組み合わされて、空間を機能的に仕切っている。ハンモックも見え、職場と言うより、自由なカフェのような雰囲気だった。
漆喰風(しっくいふう)の壁は白く、足許(あしもと)には、シロナガスクジラが描かれた幻想的な絨毯(じゅうたん)が敷かれている。
「本心」 連載第5回 第一章 再生
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