「あかちん小僧」というのが渡部の春樹評で
かすり傷ていどの傷口に大げさに"あかちん”を塗って同情をかうという作風だそうだ
たしかにその通りなんだけど文学作品なんてほとんどそんなものだし
じゃあ、ソルジェニーツィンやヴィーゼルのような極限状態に置かれた人間の作品が
その題材ゆえにすぐれているかというとそうでもない(もちろんこの二氏の作品は傑作ですが)
たとえ夫婦の不和や兄弟間のいがみ合いていどのよくある不幸であっても
そこから人間存在の核心のようなものをくみ上げられるかどうかであって
ほんとうに批判が表面的なものなんだよね