学問、芸術、技芸である程度のレベルに達する為には、様々な教育段階で「自分の殻を壊す」ことが必要になる。それは必ずしも自発的にできるとは限らない。

最大のものは入門時の、いわゆるイニシエーションだ。そこでは従来の自分の知識、人格さえも一旦は完全否定されることがある。禅の旦過詰など、一種の虐待とも言える。
渡辺さんの新入生への対応など、正にそういうものだったろう。例のセクハラ事件にそういう面があったのかはわからないが。

一般にアカハラ糾弾の風潮が、こういう教育の重要な一面の否定に繋がりかねず、それは文化の衰退を招く。老人の繰言では済まされないと思う。