ロリータが生まれたのが1935年ってのは重要なんだよ
12歳のロリータは戦争を大江健三郎とサイードと同じ年で経験しているんだぜ

第二次世界大戦の描写がぽっかりと抜けているハンバート・ハンバートは1947年のアメリカに登場するんだが、ロリータの住む町に来る少し前まで精神病院に入院している

大江健三郎やサイードと同い年の女性の前に、20世紀前半の悲劇を見舞われ続けて病んだ男が立ち現れる

その同時代性を大江とサイードは意識してナボコフを読んだ
この情報だけでナボコフと大江健三郎の小説を読み直したし、その価値はあった