Hast du denn eine Seele? Hast du denn wirklich eine Seele, Bertalda
Das macht, er ist seelenlos, ein elementarischer Spiegel der Aussenwelt, der das Innere nicht wiederzustrahlen vermag

魂がないものはどんなふうに振る舞うのか?
ウンディーネは悪戯ばかりをするが、ゼーレを与えられるbeseelenされ、魂を吹き込まれる。
魂がない割には、偉く元気に振る舞う妖精達は、外界を映すエレメンタルな鏡である、と形容される。

ウンディーネは実の親を否定するベルタルダに向かって、
Hast du denn eine Seele?
あなたはゼーレを持っているのですか?と問い掛ける。
本当に、それでも魂を持っているのですか?

騎士もまた、ウンディーネにゼーレを与えたとするなら、自分のものよりも善いものを与えたのだ、と思う。
ゼーレが吹き込まれる場面は、キリスト教の宣誓である。
キリスト教世界の魂を持っているはずの人々は、beseelenされたウンディーネよりも質の悪い魂を持っている。

日本では一寸の虫にも五分の魂という。
ウンディーネでは魂を持たない存在が喜怒哀楽を平然とあらわす。
夏の夜の夢の妖精パックが魂を持たない存在と思えばいい。

会話ができる存在に魂が存在しないという考えは日本人には違和感を与えるが、魂と霊と知性は区別されてある。
そもそもこのウンディーネの原典はファウストのモデルでもあるパラケルススの残した物語なのだ。