資本主義から社会主義を経て共産主義への移行は単なる理論だ。マルクスは間違ったことを言っていたのではなく、然るべき先読みをして見せた。
マルクス理論の大枠は史的唯物論であり、次の説明の通りである。

歴史はその発展段階における経済の生産力に照応する生産関係に入り、生産力と生産関係の矛盾により進歩するという考えに基づいて、唯物史観の概念を発展させた。
wikiより

マルクス主義やマルクス経済学の政治的な理論は、経済の発展段階を通じて下部構造(経済システム)が上部構造(政治システム)を規定する。
コップに水が溜まるタイミングで歴史の流れで資本主義の階級闘争に矛盾が生じて、コップから水が溢れ出た段階が社会主義革命である。
革命の後に共産主義という政治システムが誕生する、という予言は確かに理にかなっている。しかしそれは確かに理にかなった理論ではあるが世界という大海の全てを言い当てているとは言い難い。
現に階級闘争は自然にはフランス革命で起こされた。しかし、それが共産主義に発展することはなかった。不当な政治犯拘束に怒った市民のバスチーユ牢獄襲撃事件を見たまえ。
あれはマルクスの予言の通りではないと言えるだろうか?
見ようによってはそうであるともないとも言えないが、確かにマルクスの階級闘争の矛盾が起こした歴史的事例ではないか?