安倍政権が緊急事態宣言を出せない事実を、安倍政権が独裁政権ではない(=コントロールが効いている)
理由として持ち出す論調がある。しかし実際は、それは逆であると考えるべきだろう。
権力が集中しておりコントロールが効かない政権だからこそ、安倍政権は決断力を欠いているのだ。
優柔不断な政権の「控えの間」において、様々な「陰謀」はうごめく。お肉券やお魚券。
オリンピックに旅行券、あらゆる団体が自分の利権を通すため、非公開の世界で跋扈する。
シュミットはこれを「弱い全体国家」と呼んだ。
「弱い全体国家」とは、本来はシュミットによれば、「永遠の討論」の場と化した、
決断不能な議会制民主主義の中で生じるはずの現象であった。シュミットは「弱い全体国家」を、
国民を代表する決断可能な指導者を「憲法の番人」として設置することで克服しようとした。
しかし、ベンヤミンのモデルによれば、権力の集中はむしろ決断不能な指導者を誕生させてしまうのである。
彼は「憲法の番人」であるどころか、むしろ法破壊的である。したがって、私利私欲にまみれた利権政治家・
利権団体が跋扈する「弱い全体国家」は続いてしまう。

新型コロナウイルスの感染拡大に対して、強大な権力を持つ筈の安倍政権がこれほどまでに無能である理由
2020.04.08
北守(藤崎剛人)

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