2021.10.23
日本の音楽にはもっと「批評」と「歴史」が必要だ…人気YouTuberがそう語る理由
みのインタビュー
柴 那典

かなり決定的な出来事だと思います。レコードからCDへの移行に比べても、何倍も違う。
ラジオが登場した時くらいの拡散力の変化だと思います。
だからこそ、やっぱり、こういう時に重要になってくるのは、批評だと思うんです。
情報にアクセスする際には、何らかの批評的な情報が入り口になる。
たとえば「友達がいいと言っていた」くらいの程度でもいいんですけれど、そこにも批評がある。
価値づけ行為としての批評が大事になっている時代だと思うんです。じゃないと、そもそも情報を手に取らないので。

――まさにそうですね。批評の重要性はむしろ増している。

逆に言うと、海外からも批評の門戸が開いているので、
向こうの人が考えた歴史観が通説みたいに語られる可能性も全然あると思うんですよ。
そういう意味では、やっぱりこのタイミングで、日本の、邦楽の歴史をしっかりと作っていかないといけない。
海外の人しかそういう本を出していないのは、危ないんじゃないのかなとは思います。
日本人がいちばん詳しいに決まっているし、自分たちが歴史を作らなきゃダメだと思います。