入選作『モンスターズマンションへようこそ!』 MADAKO

編集長コメント……刺激を求め、憧れの一人暮らしを始める主人公が入居したのは、モンスター達の巣窟「モンスターズマンション」だった。
            吸血鬼のヒロインをはじめ、マンションの住人である人外のキャラクター達はみな魅力的で、
            どんどん話に引きこまれて、主人公の新しい生活に期待を寄せずにいられませんでした。

            ただ、ストーリーは、魔界の攻撃からマンションを守る「防衛線」に移行していき、
            その中でキャラクターの魅力は充分に活かされてないような気がしました。
            とはいえこれだけ面白い設定とキャラクターを産み出せるのは素晴らしい才能です。その才能に期待したいと思います。


担当編集コメント……所謂、タワーディフェンスゲームをうまくライトノベルにまとめた作品でした。
              登場キャラは多く賑やかであり、ヒロインも可愛く書くことができていました。
              天井の目やインカムなど、司令塔としての演出も見事に出来ていたと思います。
              また、ただそのゲーム性を出すだけでなく「内通者がいる」などといった要素を入れることで読者を飽きさせない努力がありました。
              
              しかしながら、読んでいて文量が多すぎると感じました。

              序盤の展開がスローペースで、全体的にテンポが悪かったところもあります。
              また、もう少し設定や世界観に深く入り込むことが出来ないと物足りない作品ではありました。
              その点に注力して、うまくまとめられることが出来ればより楽しめる作品になるのではないかと思います。

編集部コメント……文庫400Pという膨大なボリュームだが、最後まで飽きさせずテンポ良く読ませることができる文章力が光る。
            キャラクターの数が多いが、どのキャラも妖怪、吸血鬼、魔王などバリエーション豊富かつ記号的になりすぎず、
             キャラ立てがしっかりできている。
           
             文章的にスラスラ読めるとはいえ400Pは長すぎる。
             冗長な部分を削り、同じことを300P前後で目指して欲しい。

             斬新さはない。タワーディフェンス的な部分をもっと魅力的に描ければそこで一点突破できたのでは。