そういえば、ジルも再加護で21個も加護が増えたんだっけ
と思ってジルが加護の再取得をしたところを読み直すと、ジルって隠れて苦労してるんだな
見た目は完全に悪ガキなのに


「ジルヴェスターは許可を出し、実行を許したのは自分だから、悪評が立った時は自分が背負えば良いと言った。
すでにたくさんの悪評があるのだから一つ増えたところで大差ない、と。……知っていたか?」
 おじい様の言葉にわたしは首を横に振った。そんなことは知らない。養父様は何も言わなかった。

「申し訳ございません。わたくし、そこまで深く考えていなくて……」



 側近達が揃って謝罪したところで、扉の向こうでベルの音がした。養父様が儀式を終えて戻ってきたようだ。

「ハッハッハ! 21の御加護を得たぞ! 今までに得ていた御加護を足せば、ローゼマインにも勝ったのではないか?」

 勝ち誇った笑みでババーンと入ってきた養父様の姿に部屋の中の重かった空気は一気に消え失せた。けれど、すぐにその高いテンションについていけるわけではない。

「そ、そうですね。やはり長年お祈りをしていることは重要なのかもしれません」
「それに、命の属性も増えて全属性になったぞ。どの程度のお祈りで属性が増えるのか知らぬが、これはかなり重要なことではないか?」