【デスバレー紀行】
題名にひかされて読みました。
実は年が分かってしまうのですが30年以上前にロスアンジェルス近郊に1カ月未満滞在していました。
その時の印象ではもうかなり昔ですけど、日本程度の治安は普通の住宅街では維持されている感じがしまして
この小説にあるような事件は起こりにくい環境のような気がしました。
アメリカ人は発作的な犯罪や犯行がとても多くて、怒らせると恐いみたいなところがあるのでこういう執拗で
残酷なことはどうかなと思いました。
何もしない旅行者を追い回して苦しめて結局殺してしまうような手間のかかることをするような人種では
なかったと感じました。
それでちょっと最近の犯罪についての本を見てみたら考えが少し変わりました。
少しずつアメリカ人気質も変化しているようでこの小説にあるようなことは起きるかも知れないと思い怖い感じ
がしました。
今のアメリカ人は日本人が思っている以上にいらついていて、社会も人間も嫌いで一方的に悪意を持っている危ない人
っているんですね。
これには驚きまして作者さんはアメリカに住んでいてこういうことを肌で感じているのかとちょっと心配に
なり小説の中だけのものであってほしいと思いました。
アメリカでは昔も置き引きとか危ない地区では喝あげとか結構多くて、日本人もそれには警戒していて問題が
なかったのですが、このようにただの旅行者を狙って楽しむような愉快犯が出現してしまったらうっかり
旅行もできない現実になります。
時代を先取りしたような小説でとても嫌な気がして気分が重くなりました。
ただ銃の保有率は年々減少傾向にあるのでそれだけは歓迎すべきだとは思いますが、この国では絶対にゼロには
ならない背景があるので気休め程度の未来予測ですけど。
デスバレーには行ったことがないのですが、気温とか空気感とか実際にそこにいるような気持ちになり
紀行文ってとてもいいと思い得をした気分になれました。
アメリカ旅行にはまだ夢を持っていましてこの主人公のように自分で車を運転して旅がしたいと思っていましたが
やっぱり無理そうで気力が減退していくのを感じ、年寄りの冷や水の諺が頭に充満してしまいました。
面白くてひきこまれてそれでいていろいろ考えさせられる小説で、サバイバルは覚えておこうと幾つかピックアップ
しておきました。
感想文など遠い昔に書いたか書かないかでしかないのでこれで意味が通じないところもあるかと思いまして
お詫びいたしておきます。

これからもご健筆をお祈りいたします。