>>321
ヴィルは他人が辛いって言ったことを忘れる奴だといいたいんだな
間違ってないが

>「ローゼマインは中央へ行くことに忌避感はないのか?」
>「あります。わたくしの大事な印刷工房も図書館も手放して、新しい本がすぐに届けられていた環境から、自分が住まう建物の中に図書室を作ることさえ渋られるような環境へ向かうのですもの。不満だらけです」


>「そ、それで、ローゼマインは何を失ったのだ?」

> 家族、と心の中で答えながら、わたしはそっと目を伏せる。

>「……自由です。それまでわたくしは下町に出かけて、本作りのために色々な工房の者に協力してもらっていました。
>けれど、下町に降りることを禁止され、下町の者と親しく接することを禁止され、領主の養女として恥ずかしくないように厳しい教育を受けることになりました。
>わたくしが洗礼式を終えた直後に神殿長の職に就いたのは、前神殿長が捕えられたことにより、魔力的な穴を埋めるためです。それがどれだけ大変な仕事なのか、ヴィルフリート兄様はご存知でしょう?」

> ヴィルフリートが軽く唇を噛んで頷いた。


>幼い頃の思い出さえ懐かしく思うのを後ろめたく思わなければならないのか?」