特別賞をとって今の編集者と一緒に仕事をはじめて一年ですが、正直きついですね。
まず編集者が小説を読まない。
人手不足で一人で8人くらい作者を担当しているらしいんですが、
それで開き直って仕事を適当にやってることを隠そうともしない。社会人の意識がありません。
事前に一切読まず、打ち合わせのたびにタブレットで流し読みしながらその場の思い付きで指示を出してくるんですね。
「この場面で登場人物Aが急に現れる理由が書いてないので直して下さい」と言ってきて、私が「いや、ここに書いてありますよ」と指摘すると、
あっ、しまった、という顔をしてから、顔を赤くして「確かに僕の見落としだったけど、もっとわかりやすく書き直して下さい」としつこく強弁してくるんです。
舐められたくない、自分が常に上に立ちたいと思っていて、失敗しても自分の非を絶対に認めないんです。
それで、私は彼に言われたことをこまかくメモするんですが、彼は打ち合わせのメモもとらずに口頭でその場の思い付きで言ってるだけなので、
次回には自分が何を言ったのか忘れて、真逆の指示を出してくることがしょっちゅうです。
例えば「このシーンでヒロインより主人公の方が楽しそうに書いて下さい」と指示したその次の打ち合わせでは、「ヒロインの方が楽しそうだったと主人公に言わせて下さい」という指示。
自分が前回何を言ったのか覚えていない。
私は自分の小説にロジカルエラーがないよう気を付けているつもりですが、編集者のせいで滅茶苦茶になっていく。
真面目に付き合っていると、こっちが壊れてしまいます。
彼が担当しているヒット作は他社からの移籍で、彼は農業雑誌の編集者からの中途採用でろくな成功体験もないのに、
何かあるとすぐ自分の言うことイコール読者のニーズだと脅して、適当な思い付きを押し通しその通りに書けと言ってきて、次回には自分の言ったことを忘れている。
それで、肝心の自分の仕事であるイラストレーター探しは全くできなくて、それで出版が当初の予定から8ヶ月も遅れました。
ごめんなさい、完全に愚痴ですが……ただ、小説はワナビの頃が一番楽しかったですよ。
授賞を夢見て趣味で自由に書けていた頃が一番楽しかったです。
趣味を仕事にすると、趣味をなくしてしまいますね……。
あれだけ小説は生き甲斐だ、ライフワークだと言って親父に反対されても書き続けていたのに、
今、新しい小説を書きたいという意欲が全くわきません。
どうせ授賞しても、出版されるまで編集者の意味不明な指示とイラストレーターが決まらないことで苦しむのかと思うと、
もう書きたいと思えないんです。