>>890
プロットは書いてると思うよ。よくある小説の書き方講座に出てくるようなのをね。
でもあれ読んで書ける人は書きなれてる人で初心者には足りないの。
例えば、こういうワンシーン。
主人公が喫茶店に入ったって場面。

主人公が喫茶店に入って席に座る。待ち人が来るまで待っていた。って感じ?
後は精々時刻と友人との関係。
これがよくあるプロット。書きなれた人に分かる状況だけを書き記してる。でもこんなの意味ないじゃん。

主人公は商店街の中ほどにある年季の入った古びた木の扉の押し開け中に入る。小鳥を模した真鍮の鐘が軽やかな音色を立てて店内に響く。
カウンターの中で白い陶器のカップを洗っていた白髪の混じりだした年配のマスターがめんどくさそうに視線を向けてくる。
店内には活気というものがなかった。どうして友人はこんな店を指名してきたのかと訝しげに思う。
昨夜の電話からも元気がなく着かれているように感じていた。言葉の端々から厄介事の気配が色濃くうかがえた。
主人公は薄暗い店内に少し場違いなところに来たと思いながら店の奥にある窓際に背にした店と同じぐらい古びて色褪せ毛羽立ったソファーに腰を下ろして入り口の上に掛けられてる時計を見た。
時刻は午後5時を少し回った頃だった。待ち人との約束は5時半だ。テーブルに自分の影が映る。背後からの日差しに頭が少し暖かく感じる。
(友人とは大学で知り合った。食堂でぼんやり本を読んでいた時に隣に座って水筒に入れたぜんざいを啜りだした変わり者だ)
マスターが水を持ってくる久しぶりに会う友人との出会いを思い出してぜんざいでもと思いメニューを見たがあいにくなかったので
これも友人が好きだったココアでも頼んでみようとメニューを片手にマスターに視線を向け声を上げようとした時、ドアの向こうに友人の姿が見えた。
約束の時間よりもかなり早い。その事からも友人が厄介事に巻き込まれているのが予想できた。

喫茶店に入って友人を待つだけの場面でもここまで書いておかないと足りないの。正直これでも足りないぐらい。
でもここまで説明を書いておかないとダメなんだけど、こんなの教えてくれる人もいないしね。
不親切なプロットの書き方なんて進行表程度の役にしかたたなくてやっぱり経験不足なんだよ。