>>969

>>967です。批判が全て「カッコ悪い」などと紋切り型にしたので、さすがにどれか一つくらいは反発があると踏んでました。
もちろん、反発されたらされたなりに応対するつもりだったんですが、受け流しもせずに受け止められてしまいました。
嬉しい想定外です。ですので、今度は真面目に感想を申し述べてみようと思います。

御作は昔風の忍者物と同じような構造と雰囲気を持っているように感じます。キャラ、舞台、世界観などですね。
昔風の忍者って、いること自体はよく知られているけど、実態は曖昧にしか流布されていない。
陽の当たるところにはいられず、報われることもない、そういうヒーローです。
もっとも今風の忍者だと逆です。一般人が憧れる異能キャラであり、表舞台で活躍して称賛もされる。

でも御作の主人公や強敵はそうではないですよね。やはり昔の忍者ヒーローに近い。だけど、作者さんからそう扱われていないようです。
活躍させてやりたい、という思いを感じます。作品世界の神としてキャラに優しくはあるんですが、逆効果になってないでしょうか。
仰るように主人公は倫理とは逆ベクトルですが、作者から守られているためヌルくなってしまっているようです。
(例えば、史実を曲げてでも戦勝国の主人公にした点。敗戦したけど殺戮がやめられず、故国から追っ手が来るなんてテンプレでもよかったかも。)

せっかく、設定的には仰るように胸糞にしてあるわけですよね。だったら徹底したほうがよかったんじゃないでしょうか。
要所要所、特にラストではきちんと主人公を突き放すべき。そうせず陽が当たるようにしたのが、非常にもったいない気がしました。

文章的には、20世紀中庸の大衆向け時代劇の感じがします。上手く書けていると思います(推敲したらもっと凄いはず)。
そういう文体の特徴も、上記の昔風忍者ヒーローを引き立てるような気がしました。暗く陰りのある主人公ならきっと映えますよ。