次の瞬間、安倍晋三の背に冷たいものが走った。突如として安倍晋三にむけられたものそれは銃口だった。
「おっと、SPに助けを求めても無駄だ。今まで弱者をまるで虫けらのように扱ってきた代償を払ってもらう」
「貴様一体何者だ! 何故このようなことをする!」
 安倍晋三は震える声で思わず叫んだ。
「どうせ説明しても無駄でしょう。俺はお前さんのアベノミクスとやらで職を失った。
婚約者がいたが全てパーになった。俺の夢は小説を書いて文学賞を受賞すること
だったがそれも全てパーになった。この日本には俺と同じようにお前を殺したほ
どにくんでいる人間がいくらでもいるということだ」
 男の目には明確な殺意がみてとれた。安倍晋三はとっさに逃走を図ろうとし
た。しかし遅かった。鈍い銃声が周囲にこだましたのは次の瞬間のことだった。