使用お題:『擬人化』『文房具』『鯖缶』『猫娘』『歌』

【擬人化さんが家に来た】(1/3)


 −おめでとうございます、貴方はモニターに選ばれました−

 その手紙を受け取った時、僕は小躍りして喜んだ。
 擬人化少女……昔から萌え系ではおなじみの、ありとあらゆるモノを少女へと転化させた存在。これまでは2次元の存在として手を触れる事は叶わなかった彼女達が、ついに隣人として存在する時代が来たんだ。
 ロボテクスやアニマテクスと言った技術の発展が、それを可能とした。
 要するに、擬人化萌えキャラをロボットで再現しちゃったわけだ。
 そのモニターとして選ばれたんだ。一オタクとして喜べない訳がない!!

 想像の中でしか会えなかった彼女達とあ〜んな事やこ〜んな事をして良いってお墨付きがもらえたんだから!!
 当然健全ですよ? ラッキースケベなんて期待して無いんだからね!!
 さーて、早く来ないかな? 僕の萌え嫁たん!!

 ******

「以上で説明を終わります。ご質問は?」

 七三分けの黒メガネ、典型的なジャパニーズお役人と言った感じの男性が僕の目の前でそう言った。
 ワンルームのマンションには、4個の箱と僕、そしてそのお役人とで手狭な感じに成っている。僕がまず驚いたのが、この萌え系事業が政府の活動の一旦だって事だった。でも、そんな事はどうでも良い。
 僕の所でモニターするのが4人? の少女達だっていう事実。
 てっきり、1体の擬人化ちゃんが日常生活をした時に不都合がないかって言うテストだとばっかり思ってたんだけど、擬人化具合? まぁ、どれくらいの割合いで人に近いのが好ましいかって言うのも一緒にモニターするらしい。
 僕としては、嫁が4人に増えるってだけなんだから是非も無い。

「特にありません」