「勃てた奴が入れなくても、誰かが掘ればいい・・・?」

それは一瞬耳を疑ってしまう言葉だった。
だが無理もないだろう。レイにとってケモホモという行為は、勃てて掘る!勃てて掘る!体力の続く限り野獣のようにただ貪りあう!そういった肉体と精神のぶつかりあいだったからだ。
それなのに勃てた奴が入れなくてもいいだなんて言われても、まったく意味がわからないのは当然だろう。
もっとも、このエルジィンにおいても一部の上級貴族の間ではいわゆる放置プレイという変態的趣味嗜好が存在しており、その場でならばこういったことも度々行われているのだが。
だがレイは貴族との密接な関わりなど持っていない。正確には、王族であるヴィヘーナと公爵家であるエレーラとは密接な繋がりがあるがそれ以外とは持っていない。
なのでレイが貴族の変態趣味まで理解が及ばなかったとしても無理はなかった。
日本では秋田の野山を駆け回る純朴な少年であったことも影響しているだろう。

とにかく、レイは知らなかった。そのような世界があることを。
しかし、気付いてしまった。新たな世界が目の前に開けていることに。
レイという少年は、しばしば目の前の物しか見えなくなることがある。
たとえばUDONの開発に躍起になっていた時がそうだ。
少なくても、目の前に気になるものがあるのなら、確かめずにはいられなかったのだ。

「今夜の課題は決まったな・・・」
「グルゥ?」
「いや、なんでもない・・・」