>>128
(感想2/2)
そういう描写があちこちに見受けられます。特に気になる他の部分では、魔王が14歳美少女に化けたシーン。
跪いて靴を舐めたい気持ちに駆られたと明示的に描写してますね。レズビアン志向が描写されているわけでもない。
むしろ、おっさん的です。魔王の化けた美少女の魅力を伝えようとして、ヒロインのキャラを壊してしまっています。
「17歳のアイドル」らしからぬ性格おっさんなら、例えば入浴シーンがしらけることはお分かりだと思います。記号的に設定した胸も、ですね。

跪いて靴を舐めるのなら、適切なキャラがいるじゃないですか。側近のミトリです。設定的にアイドルオタクのはずですよね?
冒頭でアイドルに魅了されたと書いてある。でも、ミトリも相当にキャラがブレています。アイドルに魅了され、愛衣を拉致らせたはず。
しかし魔族アイドルグユニットについて、真逆なキャラになってたりしてます。愛衣があれだけダメ出しする酷さなんですよね?
でしたら、アイドルファンのミトリにも分かるはず。でも、魔王が愛衣にパフォーマンス見せるときに反応してない。
ミトリにも酷いと分かるんなら渋るはず。それどころか、酷い演技を自分でして、責任回避したさをあからさまに見せたり。

どのキャラも一貫性がありません。だから同じキャラの言動、行動とは思えない。そのため、キャラの意思も感情も感じられない。
作者さんの「こういうことを言わせたい、させてみたい」を安易に実現するために、キャラを譲歩させてしまっています。
ラノベはキャラで魅せるとよく言われます。キャラに感情移入できること、非日常的なのに実在感があることが大事のはずです。

キャラに譲歩させてもなお、行き詰まったり、筆が止まって焦り、無理矢理に進めた形跡があちこちにあるような気がしました。
例えば、後半、突然といった感じでヒロインがシリアスな経歴・哲学語りを始めてますよね。魔王も即座に応じたりしている。
なんとなくですが、右に傾き過ぎたので慌てて左を押さた、みたいな印象を受けます。
あるいは、ギャグを思いつかなくなったので、とりあえずシリアスネタ振ってみた、みたいな感じでもある。
簡潔に言い換えれば、作者さんの気分転換ですね。とりあえず書き進めたいから、別のことを書いてみた。
(用意した設定、プロットをとにかく盛り込もうとした可能性も感じますが、行き詰まり感を強く感じたので、上記の感想になります。)


文章もよくない。>>94の作者さんとは思えないものです。ラノベ受けを狙って、ご自分に合わない文体を選んだせいでしょうか。
もしそうだとすると、作者さんも操り人形となってしまったのかもしれません。読者に操られて筆が滑った感じ。
冒頭からちょっと見てみます。

>  そして。現代の魔法は。
>  声の強弱、長短、音程までも魔法構築に取り入れた無限の組み合わせを持つ『詠唱』と。
>  回避行動を兼ねた身振り手振りのアクション――補助儀式から成る『祈り』で。
>  大地を割り、天候を操り、まさに奇跡と呼ぶに相応しい神の域にまで到達し。
>  その様式は、奇しくも――本当に奇しくも。
>  異世界『ニホン』のアイドルソングに、なんか……なんとなく、似通いつつあった。

さすがにこれはないでしょう。なんで文の途中を句点で区切り、改行までしてしまうんですか。
ラノベは短文が基本、下(左)が白い、というコツを実践したのでしょうか。でしたら、各文をきちっと成立させてください。
強引に句点と改行入れて、見た目だけ似せても読みにくくなるだけです。各文が意味不明になりますので。
上記だと、長い一文のほうがよっぽど読みやすい。どうしても上記のように区切りたいなら体言止めです(が、多用すると嫌味な感じになりがちです)。

文章面で気になるものは、これ以降も頻出ですが、もしかすると>>94より前にこれをお書きかもしれません。
現状が>>94の筆力か、それ以上に上達していれば、あれこれ申し上げるのは不必要ですので、これ以上は申し上げないことにします。

二つの作品を拝読しての印象では、多芸多才ゆえに一芸に秀でることが遅い、みたいな気がします。
たぶん、ある日突然、「ああ、自分はこういことがしたいし、できるんだ」と気が付くタイプでいらっしゃるような気がします。
あれこれお迷いでお辛いとは思いますが、休み休み、のんびり続けてはいかがでしょうか。
修練した成果が身に着くには、最低でも3ヶ月かかりますし、1年以上も珍しくはありません。
(了)