一面にある「海影の目撃について」だけど、あれは硬質なファンタジーが表象するところの郷愁とそれと対になるべき船上の描写の噛み合わせが上手くいってないのが最大の問題なんだろうな
あの作中で郷愁を感じる主体は船上の人々なんだから、そこをきっちり定義しないと郷愁をあの文体でどれだけ書き込んでも意味ないし(そもそもあの描写で示される「郷愁」が妥当なものかどうかも疑問だけれども)、物語的な解決にもつながらない訳で
それに百の列柱とか千の鐘楼みたいな文言は決まり文句みたいなものだからそれを持って硬質なファンタジーが書けてるっていうのも少しもやっとするし、それを差し引いても船上の描写が筆滑りすぎだし、カジ大先輩やだみあん先輩に絡まれてるのも仕方ないのかもしれない