名前:オルゴノア
二つ名:《悪魔の両腕》 →《隻腕の邪悪》
魔力:A−《英雄級》
筋力:B《将軍級》
 《人類の敵》の一人。
 浮浪者の様な恰好をしており、片腕がない。
 ボサボサの髪から覗く目は、人間というよりも獣のものに近い。
 かつては《アルダン帝国》の僧兵長だったというが、 今ではその面影はない。

 三十代の頃のオルゴノアは、やや顔が怖いというだけの品行方正な人物だった。
 だが、禁魔導書を隠れて読み漁るという悪癖があった。
 教会の書物を盗み見したことが原因で、教会の魔術師十二名を殺害することになり、以来、逃亡生活を送ることとなる。

 その事件以来、オルゴノアは開き直ったように《嘆きの日》以前の魔導書を読み漁り、両腕に悪魔を宿し、凶悪な体術を用いてアルダン帝国を中心に、各地で破壊工作を行う。
 何人もの高名な魔術師を殺し、禁忌とされた魔導書を集め、いつか《人類の敵》に名を連ねていた。

 ……というのは、表の事情。
 本当は知識欲にかまけて集めていた禁魔導書より、この世界を牛耳ろうとする古き神々の邪悪な意思を知り、そのことを教会上層部に訴えようとした。
 だが、帝国の教会を陰から支配する何者かの思惑の介入により、オルゴノアは教会の魔術師を殺して禁魔導書を持ち出した極悪人に仕立て上げられてしまう。
 オルゴノアは手段を択ばず力を求め、たった一人で古き神々の野望を止めることを決意する。

 片腕は、逃亡生活の中で、帝国《十二魔天衆》の追手によって奪われた。