今現在の書き出し祭りの一位

第1話

「全砲門開け!! 目標……ひぎぃぃ!!」

 全周囲モニターに囲まれた10メートル四方程の部屋の中央。様々な計器や操作端末の並ぶその中で、一条太郎はまるで懺悔をするかの如くその場に崩れ落ちる。

「開けって言ったのは……砲門だ……誰が、俺の肛門を開けつったよ……」

 太郎の後ろには、人差し指のみを上げて両手を組み、無表情のまま立膝で座り込む女性の姿。太郎は光の動きを感じ、四つん這いの恰好のままモニターへと顔を上げる。

「っておいおい、発射されてるよ。どうなってんのおい。宇宙軍ってのはさあ。ひぎぃで目標通じちゃうの? 何なの。暗号なの?」