どうだ? 記憶くん、これが私の最高傑作だ!w


高田光弘君は私の学友である。
 彼はFsanatischな思考の持ち主である。
 一部の回教徒の如く、Dschihadすらやりかねない。
 思考の中心はプロレスである。
 彼の家に行けば分かる事であるが、力道山の写真が掲げられ、それを毎日拝んでいる。
 あれは1992年だった。
 私がまだ高校生で、日本史の授業を受けていたときの出来事であった。
 日本史の先生は荻野という50代の男性教諭で人を揶揄うのが好きという性格だ。
 もちろん、荻野先生は高田が狂信的なプロレスファンであることは承知している。
 丁度、授業で幕末を取り上げていた。
「おい、高田! 長州征伐は知ってるよな!」
 荻野先生は邪な笑みを浮かべている。
「はい! UWFの存在を希薄化され解体吸収されることを危惧しナーバスになった前田が長州の姿勢を
「言うだけ番長」と揶揄するなど、徐々に確執が顕著になっていく中、11月19日後楽園ホールの
長州軍対UWFの6人タッグマッチにおいて、前田による長州への顔面蹴撃事件が勃発。これにより長州は眼窩底骨折で長期欠場、前田は新日本を解雇され独立の道を歩み、第二次UWFの旗揚げへと繋がったのであります! これが長州征伐の顛末です!」
 真顔で答えた高田にクラスのみんなは大爆笑した。
「おい! 高田! 夢想と現実の区別がつくか? 病院に行った方がいいぞ!」
 荻野先生は心配になってアドバイスした。
「オレは真剣です! 真剣勝負です! 八百長じゃありません!」
 高田の真剣さにクラスがどよめき、恐れ戦いた。