「ぐわあおおうっ!」
 旅の戦士タカシとアリシアが森の中を進んでいると、突然木の陰から一軒家ほどもあるドラゴンが現れた。
「心配するなアリシア! こんなドラゴン一匹くらい、この俺が始末してやる」
「頑張ってタカシ! 頼りにしているわ!」
「まかせろ!」
 タカシはアリシアを後ろに下がらせると、伝家の宝刀『蛟竜剣』を構えた。
 蛟竜剣は単なる剛剣ではなく、刀身から迸る闘気により竜の鋼のような肉体でさえ咬み千切るように斬り裂いてしまうという魔神剣であった。
 ただし、その闘気の威力は使い手の覇気の強さに比例するため、誰にでも使いこなせるというものではなかった。
 タカシは蛟竜剣の使い手として幼い頃から鍛錬を重ねてきた、一流のドラゴンスレイヤーだ。
「いくぞ! どおりゃあっ!」 バシューッ!
「ぐおおっ!」
 ドラゴンは一撃で倒された。
「はあっ、はあっ。やったぞ」
 アリシアがタカシに飛びついてきた。
「ステキよタカシ!」

「ぐうぅわあおおおおうっ!」
 その時、木の陰から今度は二階建ての家ほどもあるドラゴンが現れた。
「下がっていろアリシア! どおりゃあっ!」 バシューッ!
 だがドラゴンはその一撃では倒れなかった。
「くそっ」
「何してるのよ下手くそ!」
「なんだと!」
 アリシアの暴言に、タカシは思わず振り向いた。
「何だとじゃないわよ! しっかりしなさいよこのヘタレクソ虫が!」
「くっそお言いたいこと言いやがって。こんの野郎がーっ! どおおりゃああっ!」 バシュアーッ!!
 頭に血を登らせたタカシの渾身の一撃で、ドラゴンは倒れた。
「キャーッ、タカシすごーい!」
「はあっ、はあっ。ア、アリシア。今なんか酷いこと言ったよな」
「ごめんなさい、本心じゃないわ。怖くて怖くて、つい」
「そ、そうか。なら仕方ないな」

「ぐううぅわああおおおおおおうっ!」
 またもや木の陰から三階建てほどもあるドラゴンが現れた。
「タカシ頑張ってー!」
「どおおりゃああっ!」 バシュアーッ!!
 だがドラゴンは倒れなかった。
「下手くそ! マヌケ! 皮かむり野郎! そんなんだからいつも挿れる前にイッちゃうのよ、早漏インポ!」
「言って良いことと悪いことがあるだろ! くっそーもう許さん! ぐおおおおりゃああああっ!!」 ズバッシュアアーッ!!
 その一撃でドラゴンは倒れた。
「すごいすごい! タカシ天才! 愛してるわーっ!」
「はあっ、はあっ、はあっ。ア、アリシア。お前いま……」

「ぐおおううぅわああおおおうおおうおおうっ!」
 木の陰から五階建てほどもあるドラゴンが現れた。
「タカシーッ!」
「どおっおりゃああああっ!」 ズババッシャーッ!!
 ドラゴンは倒れなかった。
「自分のウンコで溺れ死ね! てめえの汚ねえツラ見るくらいなら豚のマンコ見てる方がずっとマシだよ! こっのチンカス大臣がーっ!!」
「こんちくしょーっ!! ぐあはっずらああああっっ!!!」 ドズバッグシャアーー!!!
「タカシ愛してる! スキ!スキ!大好きーっ!」
「はあっ、はあっ、はあっ。ぜえーっ、ぜえーっ……」

「ごぐわおおううぅわああおおおうおおうおおおおおおお……」
 ドラゴンスレイヤー・タカシとドラゴンスレイヤーライダー・アリシアの戦いは続く。