ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【84】
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オリジナルの文章を随時募集中!
点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!
評価依頼の文章はスレッドに直接、書き込んでもよい!
抜粋の文章は単体で意味のわかるものが望ましい!
長い文章の場合は読み易さの観点から三レスを上限とする!
それ以上の長文は別サイトのURLで受け付けている!
ここまでの最高得点は76点!(`・ω・´) 5chのルールが権利の濫用にあたって法的無効になる可能性も無きにしもあらず >>509
著作者のなんかの権利を侵害してそう
両手剣を履き黒装束に身を包んだ屈強な男、その名はラディ。
ローブの下に革の軽鎧を着込み、弓と矢の詰まった箙を背負い、更に術具を兼ねた細剣を腰に差した女がラディの隣を歩いている。彼女は魔法戦士のレナ。
二人は相方と組んでこのかた、互いの弱点を補う組として、傭兵として名を挙げつつあった。
そんな二人は、いつものごとく依頼を探して街から街への旅暮らし。
ようやっと森を抜けて、依頼者がいそうな次の都市まであと1日というところまできていた。
危険地帯の暗い森を抜け、麗らかな日を浴び、さしもの二人も少し気が緩む。
良い天気に誘われ空を見上げていたレナが、ふと眉間に皺を寄せた。
「ねえ、何あれ」
その表情につられ、ラディも彼女の指差す先を見た。
「おい、なんだありゃ、お前、分かるか?」
「わからない……わからないの……」
黒い点が二つ、ものすごい勢いでこちらに近づいてくる。
索敵も得意とする器用万能なレナ。
そんな彼女ですらわからないとなれば、かなり深刻な事態である。
ラディはすぐさま剣を抜き放ち、レナは流石の早業で矢を弓につがえた。
そして絶望を覚えた。
一体は長い首と尾に皮膜の翼、典型的なドラゴン。とても大きくて体色は赤。
もう一体はどうやって飛んでいるのか、長大な蛇のような身体に、青空の色の鱗をまとった、ドラゴンというには異端の姿。
ヒトの目で見る限り、後者が前者を追いかけているようだった。
「くそっ、こっちはたった二人なんだぞ!」
彼らは手練れではあるが、ドラゴンというのはもっと多人数で当たるものである。最低でも怪我を癒せる治癒師は必要だった。
ましてやそれが二体とは。
悪寒が止まらない。
遠目のきくレナには、前を行く赤いドラゴンが嗤ったように見えた。
みるみるうちにドラゴンの姿は大きくなり、細部まで見えてくる。
それでも街の近くということもあり、二人ともせめて一矢報いようと死を覚悟した。
「レナ! 街に知らせろっ!」
「えっ、あっ、いやーー!!」
明らかにこちらを認め速度を上げたドラゴンが二人を跳ね飛ばす寸前、ラディはレナを道の脇へと思い切り放り投げた。
そこから先の光景を、投げられて落ちるまでのわずかな間、レナは奇妙に現実感無く見ていた。
赤いドラゴンは器用にも前足の爪をラディに引っ掛け、後続の青い蛇のようなドラゴンにぶつける。
青い方は咄嗟に止まれずラディと正面衝突。
そのままラディの身体は四散するかと思われたが、ここで眩い光が当たりを一瞬包みこんだ。 レナはどうにか受け身をとって着地する。
体勢を整えて顔を上げると、光は消え、ラディの姿も見えず、代わりに青いドラゴンの背に翼が生えていた。
青いドラゴンは以前にも増す速さで赤いドラゴンを追いかける。
すぐに赤いドラゴンを捕まえ、押さえ込んだ。
赤いドラゴンも必死に抵抗し、むやみやたらとブレスを吐きまくる。
「ラディの仇!」
精一杯の魔力を込めた一射が、赤いドラゴンの大きな眼球に突き立つ。
決して深くは刺さらなかったけれど、痛みで怯ませるには十分だった。
怯みから回復し暴れまわるまでの僅かな隙。
青いドラゴンは赤いドラゴンの喉笛に噛みつき、息の根を止めた。
トドメとばかりに鋭い爪で首が掻き切られる。
全てが終わった後、一声、青いドラゴンは天に向かって声を上げた。
そしてゆっくりとレナの方に向き直る。
「あ、終わった……」
魔力は尽き、気力も使い果たし、レナはもう動けない。
街へこの災厄を伝える約束を守れなかったと、激情にはしったことを今更後悔する。 青いドラゴンはレナを見下ろしたまま、微動だにしない。
その眼に穏やかな理知的な光があるのに、レナはここでようやっと気がついた。
「ラディ……」
緊張が解けて、まるで幼い少女のように泣きじゃくる。
自分で自分の感情がコントロールできない。
顔を伏せて涙を零していると、淡い光を感じた。
「あー、その、泣くなって……」
「ラディ!?」
「あ、ああ」
「本当に本当にラディ? 死霊じゃなく?!」
「一応生きてるよ」
「うわあーん、ばかー!」
レナは涙でぐしゃぐしゃになった顔のまま、ラディに抱きつこうとする。
「わ、ちょ、俺今真っ裸!」
「変態!」 残った荷物からどうにかラディの身支度を整えて、レナは詰問モードに入った。
「それで、あの状況からどうやって生きてたの?」
「あー、それは……」
『私と融合してもらいました。高速で投げられた時点で既に半死半生だったため、それ以外に彼の生命を救う道は無かった』
「誰?」
ラディの肩口にいつの間にか小さな青い蛇のようなものが乗っていた。
『あそこで赤い竜を追っていたのが私です。
融合してどういうわけか私も強化されたのですが、これまたどういうわけか彼に力の殆どを持っていかれたようで。
融合後はほぼ彼が戦っていたのですよ』
「えー!?」
「何か気がついたら身体はデカくなってるし、力は有り余るしで驚いたぜ! まあそれで死なずにレナを守れたんだから言うことないよな」
『しかし困りましたね、私が捕え斃す必要のある同族はまだまだ沢山いますが、貴方に力の大半を奪われた状況ではそれも果たせそうにありません』
「なら俺を雇えよ。お前の代わりにきっちり戦ってやる」
「何勝手に決めてんのよ。私も一緒に決まってるじゃない。ラディ一人じゃ心配で心配で」
『……お願いします。成功の暁には、竜の国から金銀宝石、絹の反物に最高級の磁器、神宝さえも褒賞としてお渡しするとお約束します。どうかお手伝いください』
「んじゃ、細かい条件は宿に入ってから詰めようぜ。どうにも腹減っちゃって」
「そうね、そうしましょう。あっちの死骸をどうにかする手配もしなきゃなんないし」
「そうと決まれば街へと急げだ! しっかり掴まってな、舌噛むなよ!」
「え、っちょ、きゃあ!」
ラディはいきなりレナを抱き上げたかと思うと、猛スピードで走り始めた。
「いやあ身体が軽い。お前の体をこんなに軽く感じるのは初めてだな!」
レナは発言内容に猛烈に抗議したかったが、それこそ舌を噛みそうで何も言えなかった。
後年ドラゴンキラーとして語り継がれる二人と一匹は、ここから始まったのだった。
4レスになってしまいましたすみません…… >>506
濃姫は信長の事を三郎様と呼んでたとかなんとか >>509-514
>索敵も得意とする器用万能なレナ。
(視認できる状態で索敵と云う文字を使うと少し浮いて見える!
器用万能と云う独自の漢字も少し気になる!)
青いドラゴンは融合と云う能力を備えていた!
その結果は予想していなかった! 他者に力を奪われるような融合では役に立たない!
何故、ラディにほとんどの力を奪われたのか! 理由が書かれていないので納得し難い!
加えたエピソードで棚から牡丹餅的な幸運を薄れさせてはいた!
理由のない強化はご都合主義に見える! もう少し考えて話を作った方がよい!
ワイの感想!(`・ω・´) >>516
元ネタがウルトラマンなんで融合自体の理由づけは青竜の慈悲心以外には特に無いですね
一応青竜は物理実体ではありますが、赤い方より精神生命体とかエネルギー生命に近い存在です。
この話はプロローグとかオリジンにあたるエピソードなので、強化とか青竜の力を奪ってしまった理由は続けば出します 器用との組み合わせの四文字熟語と言えば器用貧乏以外に思い付かん そういえば
記憶もありそうで無い熟語作るの好きだよな
あれってオカルト界のスタンダードなの? なろう調とでもいうのだろうか
この独特の文体を体が受け付けない >>518
ゲーム系だと器用万能ってそこそこ使うんですけどね >>515
初めて知りました! 当時の呼称に忠実だったのは、大河ドラマ「花の乱」でしたね。
視聴率は低かったけど、名作だったと思います。 >>505
遅くなりましたが、504です
なろうなどの非営利サイトもやめておいた方が良さそうですね
新作に力を注ぐことにします!お返事ありがとうございました >>524
信長は超こわい反面
身内に甘い一面があったようで
母や妹や嫁には本名を呼ばせてたとか
(身内と言えど世は戦国) >>529
そうでしたか!
諱ですよね!? だとすれば、信長の意外な一面ですよね。
型破りな方ですが、そういう点でも常識を超えていたのですね。 >>529
ノリが女子高生と一部で言われてますね
女体化しても違和感薄いとかなんとか >>522
ゲームの社会が昔にはない新しいものだからそれでいいのかもね
俺も10年ぐらい前はネトゲにハマってたから意訳重視のスラングは多用してた ここの存在を初めて知ったのですが、どんな文章でも読んでいただけるのでしょうか? >>533
便所の落書きでもむりやり評価してくれるよ >>534 お返事ありがとうございます。
それでは載せさせていただきます。初めに断りを入れおきますと、人の書いたものではありません。
男は硝子越しに、ただ、仔鷲や夫人のことを思った。
折から凄じい声で叫んだ。ニイチェほどに身分のある自己を苹果のように甘く発酵させたのだ。
人絹と本絹との混合で潮のように吼えて立ちあがる。すると果して何か悪いことが起き、暫くすると目に懸った頬、
人間の知識と趣味、その上空をめざしていて、水銀を元気づけた女教師の足を視た。
その女教師と言えばこのことを考えたり、あるいは美術の力は果して、その危さは決して空間の変転性を保証するものでなく、
眺望しようとすれば異なる事も下らない創作となる理由を自分の眼で確かめたいと思っていた。
ウラニウムの心配から、はっきりと聞きとれるか、天の下に滴たらすと患者の妄想に悩むのも厭だ、号令がかかっていた。
馬糞にたかっている蛇のように彼女は北海の空の一角を指しながら、希望は今日を思いがけなく、男に手を振って、気絶する。
つまり、両者はつまらなそうに鼻をかじられた夢を見られたのです。 >>536
機械かなんかに吐かせた文章なのかな
講評を咀嚼するだけの知性がないと、ここに貼る意味ないよ >>537
知性を与えるのはこちら側なので特に問題ありません。
私が知りたいのはこの文章を見た時にどこを不自然に思ったかです。
例えば、語句の関連性や比喩の適切さといったものです。
ここにいる方がどのように文章を解釈しているのかを教えていただきたいです。 良い点
全くありません
悪い点
何ですかコレ?
作品を書く前にまず文法を勉強した方が良いと思います。
多分中学生位の方が描いたのだと思いますが、
このままではまず目を通してもらう事すら不可能だと思います。
一言
ボロクソ言ってしまいましたが、誰だって初めはこんなもんだと思います。
中学生や高校生なら十分時間はありますし、
文章の書き方をきちんと勉強したりいろんな本を読んだりすればきっと伸びると思います。
頑張ってください。 >>536
>折から凄じい声で叫んだ。
(脱字がある!)
>苹果
(林檎の中国表記で書く意味があるのだろうか! 男は中国人なのか!
容姿に関する描写が無いので判断が出来ない!)
>人絹と本絹との混合で潮のように吼えて立ちあがる。
(一文の後半の吼えて立ち上がったことしかわからない! 前半の比喩は全く機能していなかった!)
>すると果して何か悪いことが起き、暫くすると目に懸った頬、
>人間の知識と趣味、その上空をめざしていて、水銀を元気づけた女教師の足を視た。
(一目で支離滅裂と云う四字熟語が頭に浮かんだ! この部分だけを抜き出せば詩にも見える!)
>その女教師と言えばこのことを考えたり、あるいは美術の力は果して、その危さは決して空間の変転性を保証するものでなく、
>眺望しようとすれば異なる事も下らない創作となる理由を自分の眼で確かめたいと思っていた。
(冒頭では地の文が男の胸中を語っていた! ここでは女教師を語っている!
同じ場面で複数の心を表現しているので神視点に見える!)
>ウラニウムの心配から、はっきりと聞きとれるか、天の下に滴たらすと患者の妄想に悩むのも厭だ、号令がかかっていた。
(女教師は美術専門に思える! ウラニウムで廃炉関係が頭に過る! 患者の妄想は精神科医の領分で、号令は大勢を思わせる!)
>馬糞にたかっている蛇のように彼女は北海の空の一角を指しながら、希望は今日を思いがけなく、男に手を振って、気絶する。
(馬糞に集るのは蠅ではないのか! 集るには複数の意味があるので蛇がうじゃうじゃいるのだろうか! 目的はよくわからないが!
後半の文章は男に手を振って気絶した件までしか読み取れない!)
>つまり、両者はつまらなそうに鼻をかじられた夢を見られたのです。
(断片的な夢の中身を表現した結果、読者を全く想定していない支離滅裂の話が出来上がった、と云う意味なのだろうか!)
ワイはこの文章を読んで一時、流行っていた遊びを思い出した!
日本語で書かれた文章を翻訳サイトで別の言語に変換する!
変換した文章を日本語で更に変換! すると世にも奇妙な文章が出来上がる!
今回の文章はそれによく似ている! 遊びとしては面白いが人に読ませる類いのものではない!
または作者が日本人ではないのかもしれない! 日常会話に支障がないくらいの能力で日本の小説に果敢に挑戦した!
どのような背景があるとしても、投稿された文章は日本語としてほとんど意味が読み取れなかった!
ワイの感想!(`・ω・´) >>536
この文章が「マルコフ連鎖アルゴリズム」で生成されたものだとワイは知っている!
元になった文章は青空文庫にある! 著作権が切れた三十四人の文豪の文章を繋ぎ合わせた構成になっている!
>>540の評価文章は>>536の文章だけを読んで書いたものである!
君が実験と称した部分は頭に入れていない! 理由は先入観の排除!
ワイは投稿された文章を評価する! それのみで判断して点数を付ける!
作者の意図を汲み取り、文章に反映することはない! 故に行為を批難することもない!
ただし>>1にある「オリジナルの文章」と云う部分が守られていないので感心はしないと付け加えておく!
ワイの考え!(`・ω・´) >>536
君の日本語能力を低いとは思わない!
見破られた時に備えてちゃんと予防線を張っていた!
>初めに断りを入れおきますと、人の書いたものではありません。
この一文はダブルミーニングになっている!
「人の書いたものではありません」の部分は「他人が書いたものではない」と読み取れる!
オリジナル文章を仄めかしているように見える!
もう一つ、「人が書いたものではない」と読める!
マルコフ連鎖アルゴリズムの使用を仄めかしていた!
本命の文章の添え物の態を取りながらピリリと辛い山椒であった!(`・ω・´) なるほど、人の書いたものではありません、ね
しかしどういった意図でこんなものを貼ったのやら
人を試すような真似は感心しないよ 信玄が身罷って、遺骸を壺の中にいれ、周囲を厚く土壁で塗り固められたとあります。
三年後、天正四年四月に開けてみたら、五体堅固とあるので、腐敗してなかったと推測されますが、
そんなことあるのでしょうかね。身罷った時期は四月、現代では五月ですから、気温も高いので腐敗は早いと思うのですが。
どうなのかなと。思わず筆が止まってしまいます。 甲府市岩窪に信玄公のお墓があるのですが、その場所が遺骸を荼毘に付した場所らしいです。
江戸時代に代官が記録に従い掘った所、石棺が発見され、中に文字を刻んだ石があったそうです。
そこには信玄公の荼毘が付されたことが記されていたそうなので、間違いはなさそうです。 >>544-545
信玄の遺骸に関しては諸説ある!
過去には岐阜県の駒場で荼毘に付されたと云う説があった!
長野県にある諏訪湖に石棺ごと沈められたと云う伝説もある!
同県の長岳寺で荼毘に付されたとも!
もちろん山梨県の話も有力である!
三年後、塗籠を開けると生前の姿で残っていた!
どの伝承も遺骸を荼毘に付しているので遺灰になっていない時点で引っ掛かる!
信玄の死に威光を持たせようとした誰かの策のような気がしないでもない!
想像の余地が残されているので発想が広がる!(`・ω・´) >>542
まず初めにオリジナルの文章という部分を読み落としていたことをお詫びします。
比喩を機能させるために単語自体にタグ付けをしているのですがこれでは駄目みたいですね。
また、単語ひとつで多くの事柄を想起しながら文章を読まれているようで驚きました。
とても勉強になりました。
今回載せたものはマルコフ連鎖ではなくはディープランニングを用いたものでした。
元となった小説はおっしゃる通りのものです。
お時間を割いていただきありがとうございました。
>>543
不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。
決して人を試すような意図はなかったことを伝えさせていただきます。 >>548
君の意図は理解した!
ワイもプログラミングには縁がある!
C言語を使って俯瞰のRPGを自作したこともある!
その当時、ランダム関数の偏りに不満があった!
一時期、完全なランダムは編み出せないものかと頭を悩ませた!
当然のことではあるが無理で諦めた!
今では単一光子が無偏光状態にあることがわかり、
その技術を利用して完全なランダムが生み出されようとしている!
ワイが知らないだけで既に技術として確立していることも考えられる!
飽くなき探究心! ワイは嫌いではない!
今は文章に携わっているが過去に得た知識は血肉となって活きている!
小説のプロットはプログラムのフローチャートから学んだ!
何かあればまたワイスレを尋ねればよい!(`・ω・´) 珈琲がじんわりと胃に沁みる! 変数発生の記述ですね。
なかなかバラけてくれんという。 ぷぅぎゃああああああ。ちょっと修正したが、評価頼む。
足利尊氏伝
吉川英治の「私本太平記」を翻案した簡略版です。あんなクソ長いものを読む人はあまりいないでしょうから、
わたしが換骨奪胎して作りなおしました。
1、田楽芸人
まだ除夜の鐘には、少し間がある。
とまれ、今年も大晦日までは無事に暮れた。だが、明日からの来る年は。
洛中の耳も、大極殿のたたずまいも、やがての鐘を偉大なる予言者の声に触れるように、霜白々と待ち冴えている。
洛中四十八カ所の篝屋の火も、常より明々と辻を照らし、明るい夜靄をこめた巽の空には、
羅生門の甍が夢のように浮いて見えた。篝屋とは、鎌倉時代に京都の町に置かれた武士の詰め所である。
そこの楼上には、明日の元旦を待つでもなく、総じて酒の香りが漂っていた。
都の夜霧は酒の香りがするというほど、まずは穏やかな年越しだった。
高氏は篝屋で年を越すのは初めてだった。すべてが物珍しくて仕方ないらしい。
この十年で京の酒屋もずいぶん増えていた。かつては百軒は数えたものの、今では、近江の百済寺で造るのや、
大和菩提寺の奈良酒など、天野山金剛寺の名酒だの、遠くは博多の練ぬき酒までが集められているためか、
どうぞ好きな酒を選んでくださいというものだった。
高氏はいかにも坂東武者にありがちな無骨な様相をした男であったが、
各種の酒の飲み比べをしているうちに夢の中にでも落ちていくような心持ちであった。
とにかく、醜男ではあるが、由緒ある家柄の子息ではあろう。佩いている太刀なども、
こんな小酒所の客には見えぬ見事なものと、まわりの侍衆も目を見張っていたのであった。 高氏は十八歳であった。
「まさか除夜の鐘を都で聞こうとは思わなんだ。おやじ、もう一個酒をもってまいれ。はらわたが儂へ歌うのだ。今夜は飲むべき夜なれと」
それに答えたのは荒くれの武者足軽であった。
「おれは太守、執権北条高塒殿の使いで酒を持って参ったもの。ほとんどは御献上物なれど、
我らの分もあるゆえに一緒に飲み交わそうぞ」
「おお、鎌倉者であるか。御献上物の分け前に預かりうかがえるとはありがたい」
「ははは、お主もいける口だのお。名はなんと申すのだ。どこの出だ。せっかくの巡り合わせ。共に飲み交わそうぞ」
「それがしは、下野国足利荘の次男、足利又太郎高氏と申すもの」
「下野国足利荘か。天皇領であるな。御卑下には及ばぬ。足利殿のお血筋といえば、北条殿にも劣らぬ正しい源家の流れ。
家職といえば、現帝の御被官。なぜ遠い旅をば共人も召されずに」
「我が家は朝廷の御被官であると共に、鎌倉殿の御家人でもあるがゆえに、京へ見聞に参った次第」
「ほう。鎌倉殿の御家人でもあるのか。それは難しかろう」
高氏の母君はいつ頃からか地蔵尊を信仰していて、高氏の羅刹地獄の娑婆苦を救うのは地蔵尊であると思い、
地蔵尊の仏説などをよく聞かせたものであった。
「この度はただの都見物なれば」
と高氏は五色の菓子を童のように食うた。
元亨元年の大晦日。みかどは後醍醐天皇だった。後醍醐天皇は三十一歳の遅い即位であったが、
都の女を御学友と共にかどわかし、仕えの女官はあまたの如しといわれていた。
「思い出すのは花夜叉という田楽芸人よ。執権北条殿も田楽狂いであられる。賭け犬好み、
日夜の遊興沙汰など、何ひとつ民の困苦を考えぬ武家の幕府よ。今の世は、守護、地頭に、
その他の役人、みな怨嗟の声の聞こえぬことがない。あれらはみな武家であろう。
みかどは宋学の新説を学び、資治通鑑を学び、儒仏の究理なども盛んにしておられると聞く。
いつか、異国の学を鑑として、時弊を打ち破り、ひいては執権北条の幕府をもくつがえして、
まつりごとを遠きいにしえにかえさんという思し召しでもあるのではないか」
鎌倉者はなかなか大胆なことをいった。高氏は返していわく。
「みかどといえど、北条殿といえど、武家や民の怨嗟の声を聞けば頼るべきものとは限らぬものであるなあ」
鎌倉者は高笑いした。
「ははははは、足利高氏殿も婆娑羅であったか」 おそらく婆娑羅とは、田楽芸人の軽口からいいだしたことであるが、花奢、狼藉、風流、放縦、大言、大酒、
すべての伊達を指してもいうし、軌道の外れた行為や、とりすました者への反逆や、
そうした世の振る舞いに斟酌しない露悪的な振る舞いをいった。
「いやいや、一雲を見て凶天を知るともいいますれば」
「確かに」
「近頃は茶寄り合いなどということばもあると聞く。花競べ、歌競べ、虫競べなどという遊戯にならって、
十種二十種の銘茶をそろえ、香気や色気を飲み比べするのを闘茶といい、
その闘茶に馬鹿げた賭け事をする人もあるという。闘茶とはどのようなものですかな」
「闘茶なら田楽芸人に聞くとよいですな」
見ると、篝屋にいつの間にか田楽芸人が集まり、一座を設けようとしているところだった。
田楽芸人が舞いを舞う。
「あれが有名な花夜叉か」
「あれは鷺夜叉でございますな。袖で踊っているのは藤夜叉です」
「新座はみな夜叉名を名のるが風と見える」
「ほら、あれが花夜叉です」
とひと際美しい田楽芸人が舞を舞う。この田楽芸人たちは遊女なのだろうか。高氏はいぶかしがるがとんとわからぬ。
高氏の目は藤夜叉に釘付けになった。高氏も女体を知らないではなかった。むかし、
御厨の牧へ遠乗りに行った麦秋のことであった。馬屋の干しワラの中で、つい牧長の娘と陽炎みたいに戯れ睦んだことがあった。いわゆる幼馴染である。 藤夜叉は、その幼馴染に似ている。別人であろう。そっくりではない。ただ似ている。
あれから年をとったらあのような顔になっていても不思議ではない。
「藤夜叉、歳はいくつか」
「十六でございます」
歳も合わぬ。やはり別人だ。だが、似ている。もはや、高氏の頭の中では藤夜叉のことしか考えられなくなってしまった。
田楽芸人など、歳を平気でごまかすのではないか。しかし、この高氏に。
いや、あの娘が高氏のことを気にかけているとは限るまい。それに、別人だ。似ているだけなのだ。
なぜ、下野国の娘が京都などにおろうか。
酔いがまわっている。
「藤夜叉、少し歩こう」
「あら、お武家さま」
藤夜叉の腕が、唇が、肌に感じられて離れない。別人だ。ああ、だが、高氏の心の奥の情熱をもはや抑えることができない。
高氏は藤夜叉を押し倒し、藤夜叉の指が強く高氏の背中にくいこんだ。二人の情熱は夜を焦がして舞い散った。
静かに、激しく、おびえながら。そして、夜が更けるにつれて、静けさに溶けることを許されていくことを願った。
「高氏さま、このままお別れになるのはつろうございます。何かお形見のものでもくだらせなさいませ」
高氏は焦ったが、とりだしたのは地蔵菩薩の御守りだった。
「これを持て。必ずや再会しようぞ」
「ありがたき幸せです」
そして、京の夜で二人は別れ別れになり、藤夜叉はみなの待つ寝屋へ、高氏は一人、京の町へ消えていった。 2、羅刹の妻
一遍上人の踊り念仏が流行り、時宗が一世を風靡していた。弥陀の本願によって踊り狂えば救われるというなんともけったいな信仰であった。
足利高氏は、下野国足利荘に帰っていた。いろいろあって正妻を迎える縁談がようやくまとまったところだった。
田楽芸人などという卑しい身分の女とは婚姻することは足利の殿様としての高氏にはできなかった。
婚約者赤橋登子と会って高氏は聞いた。
「登子」
「はい」
「そなたも疲れてか」
「いいえ、あなたさまこそ」
「儂すら少々疲れ気味に思われる。ましてそなたはと察しられるが、しかし、一生の門出である。二人にとっては二度とないこと」
「ええ」
「このまま少し話していたいが、眠とうないか。大丈夫か」
「なんのお気づかいを」
女はまだ体が震える。男は烏帽子をとった。
「ほかでもないがの、登子」
「はい」
「いっそ、むくつけにいおう。そなたはいったいこの高氏のどこを見て妻となる気を抱いたのか」
女は声が出ない。
「兄の守時殿の勧めで是非なく嫁ぐ気になったか。それとも」
「上杉殿と兄上のすすめだったのは申すまでもございません。けれども私もすすんで望みました」
「どこがようて」
「わかりません」
「わからぬままに」
「ええ、わからぬままにも、身の生涯をお任せして、どうあろうとも悔いのない、頼もしい殿御と、いつかお慕いしました」 「ならばあらためて告げねばならぬ。高氏が今、申すことにいささかでも不安であり、不同意だったら、いつでもこの家を去るがいいぞ」
「えっ」
「何も知らずに嫁いだそなただ。知らぬがままに連れ添うのならば、それまでのことですもうが、
しかし、さまでの秘事を抱きながら、妻となる者へ、おくびにもそれを告げず、後で悔いやら泣きを見せるのは、
男として高氏は自身に恥じる。で、いっそ打ち割っていうわけだが」
女は黙る。
「幼少の時、この高氏はさる人相見から剣難の相があると予言されておる。ひょっとしたら儂は戦乱で倒れる宿命なのかもしれぬ
。それでも、和御前は儂の妻として添うてゆけるか」
「なにを仰せかと思えば」
と登子はむしろほっとした笑みをもって、
「武門誰とて、一生何事もなく過ごせるものもおりましょう。武門に剣難の相があるのは当たり前です。
嫁ぐ前から身に言い聞かせております」
「そうか。覚悟してか」
高氏はいったが、改まった面持ちはなお解く様子もない。
「まこと、この高氏の前途は安穏でない気がするのだ。末恐ろしいと思うたら、今のうちに思い返せ」
「思い返せとは」
「今なれば、ない縁としよう。ほかの口実を設けて、和御前は処女の肌のまま実家方へ帰るがよい」
「おたわむれを」
「たわむれではない」
「むごい仰せです」
「むごくはない。慈悲でいうのだ」
「では、いつの日か、まこと、そのようなお心ぐみが、あおりなのでございますか」
「あるとしたら」
「ないとしても、あるとしても、妻の実には、おなじことに思われます。あなたさまの御一生が、そのまま登子の一生となるばかりのこと……」
「修羅の巷に迷うても」
「ええ、地獄でも」
「良人が悪鬼羅刹と見えても」
「はい。羅刹の妻となります」
「登子っ」
彼は寄って、いきなりその花の顔を、抱きしめた。
「そなたを妻としよう」 結婚式が行われた。大遊宴において、舞う田楽芸人は藤夜叉であった。
足利高氏はうめいた。何の当てつけか。酒宴の最中、登子の隣にあって藤夜叉の舞いを見ていたが、
どうしてもあの一夜のことを思い出してしまう。藤夜叉も覚悟して来ているに決まっている。
妻、登子にはいえぬ。足利の殿様が妾の一人や二人持とうとおかしくないというものもいるかもしれないが、高氏にはその気は起きない。
藤夜叉の舞いが終わると、高氏はうまく登子を席に残したまま藤夜叉と話す機会を設けた。
「久しぶりだな」
「はい。あなたさまの御婚儀と聞いてやってまいりました。あの時の御守り、今でも肌身離さず持っております」
「しかし」
「藤夜叉はあなたさまの子を産んでございます」
「おお、一夜の契りでか」
「はい」
「ならぬ」
「良い婚儀でございますね」
「この高氏、登子を妻とすると決めたのだ」
「そうですか。では、あなた様の子は」
「三河の一色に足利の荘がある。そこへ行って隠れ住んでおれ」
「わかりました」
「許せ」
「さぞや、足利の殿様はあのご婦人を幸せにするのでございましょう」
「ああ、必ずや」
高氏は藤夜叉に背を向けて登子のもとへ去った。藤夜叉は耐え忍ぶのみ。 うまく貼れない。
あと一レス。
書きかえた一レスが貼れない。 3、室町建国記
足利は新田のことを「新田とんぼ」とバカにして、新田は足利のことを「足利案山子」とバカにしていた。
藤夜叉の子は不知哉丸いさやまるといい、登子と高氏との間には千寿丸という子ができた。
新田義貞が旗上げしたのはそんな時だった。執権北条氏、鎌倉幕府への反乱である。
足利高氏は新田側につき、からめ手の大将となり戦った。
新田義貞は鎌倉幕府を攻め滅ぼし、足利高氏は京都の六波羅探題を攻め滅ぼした。
高氏の妻登子はただ待ちつづけた。
「暗君ではないか。儂はなんという暗君なのだ。登子も、藤夜叉も、二人とも幸せにできなかった」
鎌倉幕府討伐において最も勇猛に戦い、最も多くの死者を出したのは赤松円心の一族だったが、後醍醐天皇からの恩賞は郷一個だった。
高氏は、尊の字をもらい、以後、足利尊氏と名のった。
もともと当時は五百個くらいしか郡はなかったので、倒幕に参加した何万騎のうち、恩賞をもらえるのは多くて五百人ということになる。
幕府が倒れ、建武の親政が始まると、「二条河原の落書」のような乱れた世になった。
さらに、内裏の禁術、陀茶尼の修法である立川流が流行った。色道三昧である。
宰相になっていた足利尊氏は後醍醐天皇とうまくいかなくなり、朝敵として王軍新田義貞に攻められた。足利軍は破れ、東に西にと奔走した。
尊氏は、大覚寺系である後醍醐天皇に対して、持明院系である光明天皇を擁立して戦うと、新田義貞を破り、勝利を収めた。
後醍醐天皇は敗戦を悟るといった。
「そちは申したな。例え尊氏が破れましても、第二の尊氏、第三の尊氏が現れますぞと。
そちもまた肝に銘じておくがよい。よしや儂がここでついえても、儂の意志を継ぐ第二の後醍醐、第三の後醍醐が必ず現れよう。」
尊氏は後醍醐天皇に武家政権を再び認めさせ、室町幕府が成立した。
後醍醐天皇の後を継いだ南朝の正統性を訴えるために「神皇正統記」が書かれた。
そこには、「日本は神国であるから日嗣の御子は変わることがない。」と書いてある。
北朝の子孫である明治天皇も、南朝こそが正統な天皇家であると認めている。
天知る、地知る、我知る、汝知る。
赤橋登子は、夫が日ノ本一の権力者となったのを知って、日本でいちばん幸せな女だった。 >>560
換骨奪胎を謳った話は読んだことがある!
これ、見せたことがあるのでは?(`・ω・´) >>549
温かいお言葉ありがとうございます。
実は人間がある程度の方向性を決め、既存の物語の展開をもとにすれば、小説の自動生成はできるのです。
ただ、無味乾燥な文章になり、面白みのあるものではありません。
今回の文章は比喩に重きを置いて作成したものでした。
次はオリジナルの文章で物語性のあるものに挑戦したいと思っております。
重ね重ねお礼申し上げます。 下手でも長く書いてれば
面白いとか感動したって言われる事があるけれど
記憶って言われたことあるの? >>563
妻の赤橋登子が高氏生存中、生きていたらしいんで、そのように二行書きかえただけなんだけど、
それだけでハッピーエンドになったからどうかなと思って。
評価は、無理にとはいわない。ただ、より史実に近づいたはず。
来年の大河ドラマで「佐々木道誉」とかいうどうでもいい武将をやるらしいんで、
室町なら、道誉より尊氏だろうと思うんで、重要な一作なんだ。 あんまり最近、漫画読んでないんで、これといった漫画家が見つからないので、
ここを見ている漫画家や志望者におれの研究成果です。
芸術。
書道は暗号である。絵画も暗号であり、音楽も暗号である。
暗号の答えは簡単であり、生殖である。
だが、生殖だけではなく、暗号のまちがいも楽しみたいというのを芸術という。
宗教。
宗教とは、いかに赤ん坊をうまくだますかしか考えていない。
赤ん坊をだますものが神官である。
法律。
警察の実行力の参考意見である。
情報の胴元。
あらゆる情報の胴元は、あらゆる情報編集者である。
流行と文化と科学。
流行と文化と科学にも、ぜんぶ胴元がいることを理解しないと絶対に後で後悔する。
音響編集装置。
ひとつの地区の口コミ情報を全部収集して、声真似調整してあらゆる友人恋人の声のふりができる。
これを理解しないとたった一人に全滅する。
敵のいじめの応援。
敵の市民でいじめをしている人を一件でも見つけたら、そのいじめっ子が喜ぶことをしつづけるだけで、どんどん敵を弱くできる。
ビッグデータに敵勢力のいじめっ子を見つけたら、その応援をしにいくだけで、かなり敵をやっつけることができる。
物語の極意。
みんなが面白がるのは「希望のある真実だ」。 >>566
前に読んだ作品の二行を変えただけで話が劇的に変わるとは思えない!
従って今回に限り、ご遠慮いただく!(`・ω・´) 今日はリーマン君の休みの日!
四十分一レス勝負にはもってこい!
午後八時、九時でもいいか!
ワイの仕事の進み具合にもよるが、
突発的に開催されるかもしれない!
ちょっと縁側で日光浴!(`・ω・´) 男性向けのみ 女性向けは省略
雑誌別単行本販売数 2015年 2017年 比較
少年ジャンプ 5225万冊→3624万冊 −31%
ヤングジャンプ 2610万冊→1510万冊 −43%
少年マガジン 2559万冊→1412万冊 −45%
少年サンデー 994万冊→1060万冊 +6%
別冊少年マガジン 1181万冊→920万冊 −23%
ジャンプスクエア 674万冊→563万冊 −17%
モーニング 738万冊→476万冊 −36%
ヤングマガジン 591万冊→383万冊 −36%
少年ジャンプ+ 193万冊→330万冊 +70%
ヤングアニマル 216万冊→297万冊 +37%
となりのヤングジャンプ 382万冊→294万冊 −24%
BCスピリッツ 259万冊→265万冊 +2%
月間Gファンタジー 356万冊→264万冊 −26%
月間ガンガンjoker 245万冊→239万冊 −3%
ゲッサン 166万冊→235万冊 +41%
月間少年マガジン 494万冊→231万冊 −54%
goodアフタヌーン 107万冊→226万冊 +111%
月間少年シリウス 110万冊→222万冊 +101%
少年チャンピオン 368万冊→220万冊 −41%
裏サンデー 143万冊→198万冊 +38%
月間ビッグガンガン 74万冊→195万冊 +163%
月刊コンプエース 64万冊→186万冊 +190%
月刊アクション 273万冊→178万冊 −35%
ヤングガンガン 195万冊→175万冊 −11%
アフタヌーン 336万冊→163万冊 −52%
ヤングエース112万冊→161万冊 +43% >>571
おそようございます
いいですね。期待しています 今ジムなんですが、帰宅が間に合ったら参加しますね。 目が覚めた! 霞みがかった頭の中がすっきりと晴れ渡る!
まだ七時か! さて、どうしたものか!
八時まで時間がある! 冷えたビールでも飲むか!
ちなみに今日のお題はまだ考えていない!
現代物、ファンタジー、次は何にするか!
推理物を四十分は厳しい! 破綻は目に見えている!
子供ネタは人を選ぶ! そうなると青春物になるのか!
ノアール物は特定の作者を喜ばせることになるので回避した方がいいか!
ふむ、まずは喉を潤すとしよう!(`・ω・´) そもそも人がいないのでは? >>575-576
二人はいるようなので開催はできる!
やはり問題はお題か……エロ?(`・ω・´) カーリングあるじゃん
え、まさかカー娘でエロとか言わないよね?
言わないよね?
言わないよね? パシュートでくんずほぐれつのエロ!(`・ω・´) ピコーン! えっ、9時じゃないの?
今帰って来たばっかで風呂も飯もこれからなんだけど! アヘ顔ダブルピース君が現れないのだが!
八時半まで待ってみるか!(`・ω・´) >>585
いますよw
>>573は起き抜けにスマホで打ちました >>582
エロはともかくパシュートも必要なんですか? ちなみに>>582はお題ではない!
八時半くらいに発表する!(`・ω・´) 待って、皆
>>582は正規のお題じゃないよ。……違うよね? もしかして人数が揃っていて、もうお題を出してもいいの?(`・ω・´) ひょっとしてエロで旅立ってしまった作者がいるのか!(・`ω・´;) パシュートでエロなんて
廊下で雑巾がけ競争してたらうっかり入っちゃった以上のものを書ける気がしない 狭い一室に女性の話し声が聞こえる! 手にはボロボロの人形を持っていた!
そのような場面から始まる一レスの物語を四十分と云う限られた時間で募集する!
今からスタート!(`・ω・´) 締め切りはスレッド時間で九時一分未満! いや、物はかきよう。けどまだ帰宅できてない。
皆様ふぁいとっす >>596
締め切りの時間はスレッド時間で九時十一分未満!(`#・ω・#´)フォォォォ! ちょっとボロニアソーセージを焼いてくる!(`・ω・´)ノ 焼け爛れたボロボロのソーセージのようなものを手にした女が……
いや違うそうじゃない ボロアパートの二階の角部屋、四畳半の狭い部屋。
と言えば、ホームレスと代わりのないような汚らしい親父が一人で暮らす、とっ散らかった汚部屋を真っ先に想起するかもしれない。
ただ実際には、その部屋は綺麗だった。それもその筈。極端に物がない。
部屋の中央には木製の丸テーブル一つ。端に衣装箪笥と三つ折りにされた布団。それだけが部屋にある物の全て。
いや、今一つ物があった。それは、部屋の主が大事そうに抱いている人形であった。
――市松人形だ。年季物なのか、着せられた緋色の着物の裾はほつれている。顔の肌色にも所々変色している部分が見受けられるし、古いものであるのは間違いないだろう。
人形を抱いた女――化粧もせず髪もぼさぼさでロクに手入れされてない。その女が、赤子をあやすように人形をゆっくりと揺らしている。
女の目は虚ろだ。そんな目をして、只ひたすら人形を揺らす。時折、何かぼそぼそと呟く。口の端は笑みの形に吊り上がっていた。
どう見ても正気を失っている。
この女の事情を鑑みれば、それも致し方のないことであった。
女は、十年前に結婚した。誰もが羨むような、恵まれた結婚でこそなかったが、それでも普通の幸せな結婚生活を送れる。誰もがそう思った。
最初の悲劇は、結婚二年目。妊娠したのだが、何ら原因らしい原因もないまま流産になってしまった。
女は酷く悲しんだが、夫や周囲の人間が励まし、少しずつ立ち直った。子はもう一度産めばいい。そう思うようになった。
しかし、不妊の期間が数年続き、不妊治療の為に長く病院に通い詰めることになる。そしてようやくその努力が実を結び、待望の子供が出来た。
……と思った矢先にまたもや流産した。
この時の女の取り乱しようはすさまじく、半狂乱、いいや、正に狂人の振る舞いを取った。
夫はそんな妻に嫌気が差し、妻と別居。半年後に離婚した。
更に女に追い打ちをかけることが続く。別れた夫は一年後再婚し、新しい家庭で早々に子宝に恵まれた。
これを聞き、女はついに壊れた。
「あゆみちゃん、私がこれからたーんと可愛がってあげますね」
女は禍々しい視線で市松人形を見下ろすと、抱いていたそれを無造作に床の上に置く。次いで取り出した刃物を強く握り締めた。そして――。
「ああああああああああ!!!!」
ざくりざくりと、顔、腕、腹、足にと所構わず刃物で刺し貫く。
「死ね! 死ね! 死ね! 死んでしまえ! あの女の子なんて死んでしまえ!」
怨嗟の言葉を吐きながら、延々と人形を刺し貫く。
時刻は丑三つ時。
女の故郷では、一風変わった丑の刻参りに類似する風習があった。
通常では、神社で藁人形を五寸釘で貫くものであったが、女の故郷では自分以外誰もいない閉じられた部屋で、市松人形を刃物で刺すというものだった。
女は、市松人形を元夫と再婚相手との間に産まれた子供に見立て、息が切れ腕の感覚がなくなるまで刃物を振り下ろし続けると、喜悦の笑みを浮かべたのだった。 甘やかな声が暗がりを滑って行く。
「そう、それは素敵ね」
月光が差し込む。少女の横顔が浮かび上がった。
彼女は物陰に向かって話し続ける。
「でも、無理しちゃ駄目よ」
音として表れる返事は無い。
にもかかわらず少女は、しばしの間の後、得心したようにうなづいた。
「ほら、月が綺麗。……少しは足しになるでしょう?」
少女は陰から何かを取って腕に嵌め、月に向けそのまま手を差し伸べた。
白い光が、彼女の腕の様子を露わにする。
少女の肩から手の先まで、すっぽりと人形の体内に覆われていた。
白皙の端正な風貌、豊かな黒髪、繊細かつ豪華な刺繍が施された長衣。
けれどその人形、肌は泥で汚れくすみ、黒髪はほつれ、衣服はカギサキだらけであった。
少女はそのような様子にも怯まない。
人形の唇に口づけを落とし、そのまま息を吹き込んだ。
彼女の息が吹き込まれるにつれ、くすみは落ち、髪は艶やかに、衣服は元の様相を取り戻していく。
「ふふ、今はここまで」
少女は腕から人形を抜いて窓辺に座らせると、彼の髪を梳り始めた。 その狭い一室と廃病院の通路を隔てるドアを挟む形で、滝沢と細道は耳をそばだてた。
2人の手にはそれぞれ拳銃が握られている。
古びたドアが色々な物に侵食されているせいで、その向こうからは異様な気配が漂ってくる。
何より異常なのは伝わってくる女の話し声だ。
あまりにも感情が無い。声のトーンはひたすら高い。まるで壊れたからくり人形だ。
レコーダーか? と滝沢は思った。眉間に刻まれた皺をさらに深くし、細道にあごで命令する。
『いけ、突入しろ』
細道の瞳に迷いが浮かんだ。首を僅かに傾げる。
『いいんですか?』
目が訴えてくる。この目に滝沢は苛立ちを覚えた。もう10人以上殺されているのだ。やっとここまで追い込んだ。そもそもの不手際はこの若造が搬送中の女を取り逃がしたのが……!
滝沢の怒りは沸点に達した。
『いい! 俺がやる! お前は見ていろ!』盾にすらならない細道を、滝沢は見限った。一旦体をドアから離し、勢いよく蹴破る。突入。
噂に聞く『呪い使い』。殺し屋としては上等。組織からも随分と重宝されたこの女は、原因不明の方法で人を殺す。が、どんな手段にせよ銃にはかなわない。
― 撃ち抜いてやる。手前のでこを、綺麗になあ!−
女はベッドに腰をかけていた。酷く黴に寝食されたベッドだ。両手にはボロボロの人形を握っている。
滝沢は唖然とした。
女の瞳がどこも見ていなかったからだ。
「はーい、あんでちゅよお。きがえしますね。いいこいいこお」
無邪気というより、意志のない声が室内に響く。演技か?と思いつつ、滝沢は女のこめかみを、銃のグリップで殴った。
女は力なく床に投げ出され、崩れる。が、人形は離さない。滝沢は混乱する。殺し屋の動きではない。別人か?いや、逃げ込んだのはこいつだ。入れ替わり?
いや、これは。
音が響いた。背中が熱い。両膝が力を喪い、崩れる。
「てめえ」肩越しに振り返る。細道が銃を向けていた。若者は返事をせずに、もう一発、鉛玉を滝沢に
叩き込もうとした、刹那。
細道に仰向けに倒れながら、滝沢は発砲した。照準は若者の喉下。命中。「ざまあ、みろ」そう呟いて、滝沢は絶命した。
−困った。−
呪い使いは途方にくれた。人を人形で呪い殺す。これが彼女の方法である。まず、人の魂を人形にうつす。そしていたぶり、殺す。
魂の入れ替え。これが彼女の能力だが、今回は追い詰められた。部下に後詰めを頼みんだが、あてにならない。なんせ、相手はあの凄腕、滝沢だ。
そこで彼女は魂を人形にうつした。自分の体には、人形のちっぽけな魂を入れる。いちかばちか、だ。あてにならない部下だが、こうすればなんとかなるだろう。
と、見込みははずれた。部下は死に、彼女は人形にとじこめられた。
ー困った。−彼女は心中で呟いた。 「あなたとは、もうお別れしなくてはいけないの」
ドアを隔てて、狭い向こう側の部屋から、少女の声が聞こえる。
「ずっと、長いおつき合いだったわね……。でも、とうとうお別れの時が来てしまったの」
部屋の隅で、小柄な若い女性が、手にした人形に話かけている。
人形は青いドレスを着た西洋人形であった。だが、長い時を経ているせいか、それはボロボロになっている。
「あのドアの向こうにいったなら、今までの少女の私ではいられなくなる」
悲しげな瞳で、少女はその人形に話かける。
その時、ドアの外から少女に話しかける声が。
「殿下。お時間でございます」
ハッとする少女。人形の顔にそっとキスをすると、静かにテーブルの上に人形を置いた。
「今、まいります」
少女はそう言うと、目に滲む涙をぬぐいドアの前に立った。
ほどなくして、ドアが開かれる。
そこには、毅然とした表情の少女が立っていた。
女官が駆け寄ると、少女の手を引く。別の女官が、真紅のローブを少女の体にかける。
手を引かれ窓の前に立つ少女。
そして、窓の外のベランダへと、一歩を踏み出した。
眼下には、数えきれないほどの群集が歓喜の声を上げていた。
「ビクトリア女王陛下、万歳!」
「国王陛下、万歳!」
人々が口ぐちに叫ぶ。
1837年6月28日。大英帝国に新しく国王が誕生した。
その名はアレクサンドリナ・ヴィクトリア。
わずか18歳にして、女王として即位する。
子供の頃から共に遊んだ人形。幼き時代に決別し、少女は一人の女性、いや女王となった。
小さな小部屋に残された一体の人形。
静寂の中で、人形のつぶらな青い瞳はヴィクトリアの遥か未来を見つめているようだった。 お題をスマホで確認、35分から執筆開始。
推敲の時間が足りない。迫る締め切り。
今回も誤字がかなりある。まあ、帰宅できなかった俺が悪い。
皆様お疲れ様です。 >>607
てっしーもお疲れ
スマホで短時間でこれを書けるのか……きっと超高速タップなんだろうな
まるで女子高生のようなスマホ捌き、あれ? そう言えば北海道在住のJKだっけ?
と、冗談はともかく
女の『困った』って呟き? 独白? が何かいいね ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています