えっと、>>639-640を30分で書き上げたので、お題の前に景気付けで投下します

夕暮れ時の河原に立つ、二人の男。
一方はボロボロの学ランを纏った岩山のような大男。そしてもう一方は、純白の特攻服に身を包んだ小柄な男だ。
二人は間近に向かい合い、夕日に照らされたお互いの顔を無言で睨み付け合っていた。
この対決を見届ける者はない。ただ風に吹かれた枯草だけが、男達を煽るかのようにザワザワと耳障りな声援を送っていた。
学ランの男がズイと一歩踏み出す。特攻服よりも頭一つ大きいその男は、その口元に余裕ともとれる笑みを浮かべていた。
特攻服がたじろぐように半歩下がる。だが次の瞬間にはその足をギリッと踏み締め、再び学ランに向き合っていた。
拳を固く握り、奥歯を噛みしめ、顎を突き出すようにして間近に迫る大男の顔を睨みつける。
その時、学ランが両眼をカッと見開き、鋭い光を放った。
特攻服は目を逸らさない。だがその顔は真っ赤に紅潮し、目には涙さえ浮かべていた。
やがて特攻服は、観念したように目を瞑った。
それを見た学ランの表情がフッと緩む。
そしてゆっくりと顔を近づけると、やさしく唇を重ねたのだった。