とある勝利の宴にて。

「おお、騎士ワキヤーク。此度は大手柄であったな」
「これは国王陛下。光栄でございます」
「ところでワキヤーク。勇者ナローシュの剣すらはじき返すオリハルコンの鎧を
 どう攻略したのじゃ?」
「はあ。いつも通り、押さえ込んだ敵の鎧をめくり上げて、短剣でズブリと」
「……普通じゃな」
「普通でございます」

『鋼の鎧は普通貫けない』という前提で洗練された凡人の武芸の前には、
鎧の強度が究極に達しても些細な問題だったようです。