5、奴隷制度による福音

 逆に言うと、奴隷制度があるということは、人を食うよりも役に立たせる方法があるという事
 農業や商業などの技術水準が一定以上あることを推測させるものであり
 奴隷制度があれば戦争捕虜や中程度の犯罪者の命を救う手段として使えるということ
 奴隷制度は人に食われる、すぐ殺されるという恐怖から、人間を救う福音であるともいえる


6、奴隷制度は相互助け合いのシステム化

 奴隷制度があれば、非常に貧しい農村で不作の年などに食料を浪費する
 人を減らして代わりに金銭を得て、食料を購入する手段を担保する手段として非常に有効である
 奴隷制度のおかげで村全体での共倒れを防げるともいえる

 貧しい村を家に置き換えても同じ事を言えます


7、なぜ、今は奴隷制度が悪なのか
 
 では、なぜ今奴隷制度が悪といわれているのでしょうか?
 一言で言うと、昔と比べて非常に豊かになったからです
 世界中の先進国で食料の生産調整が行われており、能力的には飢え死にする人は居ない筈です

 当然ながら、飢えを理由に人身売買(日本の法律上の用語。奴隷の存在ではなく売買を禁じているっぽい)
 をする必要が無い。犯罪者を懲役刑にするのに問題が無いほど大抵の国家は豊かです
 貧しい人に生活保障をしてやれる程度には豊かな人が多いし、実際寄付で大量の貧民が食・職を得ている
 
 じゃあ、なぜ飢え死にする人が居るのか?
 じゃあ、なぜ極端に貧しい国があるのか?
 なぜ、奴隷として人身売買するしかない人たちが居るのか?

 @金持ちが富を独占しているからです
 A貧しい人に最低限の富を分けることすら拒否しているからです
 B無能で強欲な政治家が、産業育成に使わなければならない金を着服しているからです
 C自分の利益だけを考える権力者が、人々の善意をピンはねしているからです
 D奴隷を持ちたい金持ちが、これらを黙認もしくはあおっているからです
 Eこれらを一般民衆や権力者、正義を守る警察や裁判所などが黙認しているからです

@〜Eは明らかに悪いことであり、その結果として奴隷が存在してしまうからです
奴隷が居るということそのものが、悪いことの結果だから悪いのです


昔は、奴隷が居るということは良いことだった
本来死ぬしかなかった人たちを生かし、社会全体の富を増やす(減らさない)
事であり一種の助け合いの証しであり慈悲の現れですらあった

けど、現代社会は奴隷制度など無くてもやっていけるほど豊かになった
必要ないのに悪いことをする奴らのせいで存在している
だから悪なんです

逆に言うと、昔の文明レベルの世界を描写するなら、奴隷制度は当然のこととしてあるとしなければ不自然です
すくなくとも、奴隷制度の不備による歪みが陰惨な社会体制を出さないと矛盾が出やすくなるといえます