>>826
1話の流れはすごく良かった。ミミズになって人間の体を得る流れに入り込めた。
ただ、首を動かして黒い体を見てとあって、はじめ人面ミミズなのかと思った。目があんの?色わかるの?ここだけリアリティが弱い気がした。

で、5話で止まってしまった。

現状分析とか戦利品とか魔法や奇襲の手順など箇条書きが頻出するところ、読者への説明語りで没入感が削がれた。
会話相手もいないのに全部話そうとしてくるから、せっかく一人称なのに作者の解説付きかぁって。RPGやってて物語とか雰囲気楽しみたいのに攻略サイトが勝手にデータ語り始める感じ。

> 落ちてる石を拾って見るが、何だか手袋越しに触ってるような感覚だった。

こういう描写はすごくいい。自分もそうするだろなって思える。

どう描かれてたら良かったか考えたけど、例えば魔法手順なら、体が自然に動くとか親に指導された時にかけられた言葉が浮かぶとかで、こういう手順でやりますなんて事前に書かなくても寄生先の記憶で魔法を使えるんだと分かる。

根の使い方も「試してみるか」でやらせるんじゃなくて、はじめに寄生するときに本能的に耳に入りたくなったみたく、転がった頭部が無性に気になり自然と手を伸ばし……うわ手からなんか出たって感じが好み。

戦利品も何がいくつとか書かずに、何々を持ち去っただけでいいし、そしたらテンポも良くなる気がする。

テンポ遅く感じるのは、主人公の目的が見えてこないからかな。「とりあえず生きる」じゃなくて、長期的な目的ね。
上記の根の使い方みたいに寄生虫の本能が強く描写されてたら「とりあえず生きる」でも納得した。正体不明の生物の生態と行動原理自体が提示される謎となって読み進めたくなる。

実際は人間としての、それも前世の理性が前面にあるから、考えが全部筒抜けで気になる謎がない。生態については作者が解説してくれるしね。

殺意感じたままに婚約者へ復讐する方向へ思考を向けて欲しかった。たぶんそういう展開はあるんだろうけど、明確にされないから何も始まってない印象を受ける。

いっそロートフェルトの人格として復活した方が面白かったかな。そしたらすぐに復讐へ動く。けど倫理観や肉体の異常を自覚ないまま行動して、知らないはずの地球知識を当然のように使ってて、俺は一体何なんだ?って自問しだす……

ホント、1話の流れはすごく好みでした。これだけは伝えたかった